「雨季予報」(2018年02月08日) 首都圏も相変わらず雨が多く、バンジルや土砂崩れの被害が出ている。18年2月5日の 全国降雨量データによれば、西ジャワ州ボゴールのチテコ測候所で一日152mmが記録 された。全国最高は西カリマンタン州シンタンのスシロ測候所の153mm。いずれも一 日150mmを超える異常数値が示されている。 2月4日にはボゴールのナリングルで一日の降雨量が169mmを記録した。ボゴール市 はkota hujanの異名を取っているが、ボゴール県にもkabupaten hujanの異名を呈しなく てはならないだろう。 フィリピン東方とスマトラ西方に低気圧ができて、ランプンから東ジャワにかけてと西カ リマンタンから南カリマンタンにかけて、大気を吸い寄せる長い筋が形成され、スマトラ 西方海上からジャワ海西部地域、カリマンタン島西部、スラウェシ海、アラフル海に風の 転回地域が発生している。 ランプン南部からジャワ〜バリにかけて、大気団の衝突する前線が生まれているため、ジ ャワ島は降雨の可能性がたいへん強まっている。地学気候気象庁の説明によれば、インド 洋に発生するマッデンジュリアン波動は今、ドライフェーズになっているとのこと。ドラ イフェーズは2月いっぱい継続すると見られている。 しかし雨季の基調パターンをなしているアジアモンスーンと熱帯収束帯にできる前線がも たらす多雨に対するこのドライフェーズの影響力は小さく、降雨状況を左右するほどのも のにはめったにならない。せいぜい雨量を更に巨大なものにしないという期待が持てる程 度であるそうだ。 今、熱帯収束帯はジャワ島までカバーしており、ジャワ島の多雨はまだまだ継続しそうな 勢いにある。2月の月間降雨量が中高レベルの200〜500mmになりそうと予想され る地域は、南スラウェシ、中部スラウェシ南部、ティモール島、ジャワ島、パプアのジャ ヤウィジャヤ山系一帯である、と地学気候気象庁は予報している。