「停電の理由はいろいろ」(2018年02月28日)

2017年10月、タングラン県マウッ(Mauk)にあるカランセラン在来港で頻繁に大量の
銅の陸揚げが行われているというチクリ情報が当局の耳に入った。

18年1月、ジャワ海オフショー石油ガス探査協同契約会社のひとつPT CNOOCか
らの届出があった。プラウスリブ諸島のパブラン島周辺に敷設されている海底ケーブルが
頻繁に盗まれており、業務活動の障害になっている。

当局者には、即座にピンと来た。海軍西部艦隊第3即応チームが即座に動きを開始した。
しばらくして情報が入って来た。R所有の漁船2隻が3〜4日後にカランセランに来て、
被覆をはがした銅線を陸揚げする予定になっている。
「それだ。盗品の海底ケーブルだ!」

第3即応チームが現場の張込みに就く。そしてついに、その瞬間がやってきた。カランセ
ランに入って来た2隻の船から大量の銅線が降ろされて、トラックの荷台に積み込まれた。
トラックが走り出すと、張込みのメンバーから街道に張られた検問ポストに連絡が飛んだ。

タングラン市パクハジ町カリバル村のトゥリ川にかかる橋でトラックは停車を命じられ、
検問班は乗っていた数人の者と積荷を確認した上でタンジュンパシル海軍基地に連行した。

取調べの結果、海底ケーブル窃盗に関わっていた一味14人が芋づる式に逮捕された。ト
ラックに積まれていた銅線は1,362キロの重量があった。

一味の自供によれば、海底ケーブル窃盗は2003年から行われていたとのことで、「か
れらが何度盗みを行ったかはっきりとはわからないものの、一回で1トンを超える量を手
に入れていたのだから、総量はいったいどれだけが・・・。」と取調官は絶句してしまっ
たようだ。

スリブ諸島県令はこの事件に関連して、何度も盗まれていたその海底ケーブルは人が住ん
でいる11島のうちの10島への送電に使われていたと述べている。残るスビラ島はジー
ゼル発電機での電力自給が行われていたから、停電の影響は受けなかった由。インドネシ
アでは停電の原因もさまざまなようだ。