「ナシゴレン(8)」(2018年03月07日)

ではナシバカルの作り方をご紹介しよう。

1.まずご飯を普段のように炊き、必要な量を取り分けて塩と油(バターがよいか?)を
少々混ぜておく。

2.具を用意する。具はお好みのおかずでよい。インドネシアで一般的なのは、鶏肉やツ
ナを種々の野菜やブンブと一緒に炒めたもの。

3.1.のご飯をバナナの葉に乗せて、具を中に入れ、少しつぶれた円筒状にする。ご飯
とおかずのバランスをもっと均等にしたいなら、ご飯の上に載せるだけでもかまわない。
ご飯を船形にすれば、具の味が全体によくしみ込む。

4.乗ったご飯と具をそのバナナの葉でていねいに包み、縛る。

5.それを火の上で焼く。バナナの葉が干からび、香りが出てくれば出来上がり。縛った
後、時間が経過してご飯が冷めてから焼いても、まったく構わない。しかしご飯の水分が
あまり減らないうちに焼くほうがよい。

6.温かいうちに、バナナの葉を開いてご賞味ください。


インドネシア語で飯のことをナシ(nasi)と言う。
「人はオラン(orang)、飯はナシ(nasi)、魚はイカン(ikan)、菓子はクエ(kue)」というダ
ジャレを、インドネシア語学習者なら少なくとも一度は耳にしているのではあるまいか。

そのナシを調理することを昔はmenanakと表現した。ほとんどmenanak nasiという形で使
われてイディオム化している。ところが今やmemasak nasiという言葉にその地位を譲り渡
したのは、menanakの中身が炊くことをもっぱらにし、蒸すことを含んでいなかったのが
原因らしい。伝統的なmenanak nasiの手法はこのようになっている。

洗ったコメを鍋に入れ、水を人差し指の中ほどくらいかぶさるように入れる。鍋を炉に載
せ、ふたをして中火で煮る。水が沸騰したら、中を良くかき混ぜて鍋底が焦げ付かないよ
うにする。コメが十分に炊きあがったら、完了。

だが鍋で炊き上げず、半熟飯を蒸しプロセスに移す方法もある。menanakの原意は炊くこ
とを主体にしたものだったらしいが、その後この炊き+蒸しプロセス全体をもそう呼ぶよ
うになったそうだ。

蒸し器の身近くまで水を入れてから身を置き、その上に鍋から半熟飯を移す。蒸し器を炉
に載せ、ふたをして中火で熱する。ときどき、飯ができあがったかどうかをチェックする。
30分くらい経過すれば、たいてい出来上がる。
これがインドネシアの伝統的な炊飯方法だったそうだ。[ 続く ]