「ながら行動と注意散漫」(2018年03月08日)

首都警察交通局データによれば、2017年に管区内で発生した交通事故は5,642件
で、事故原因別にはそのうち3,893件が注意散漫、疲労160、眠気100、無理な
運転1,380、速度規制オーバー107となっている。その結果、死亡者571人、重
傷者1,098人、軽傷者4,964人が発生した。

2018年1〜2月では事故発生件数944件で死者が103人、重傷者130人となっ
ている。

注意散漫の原因が運転者自身の運転中の行為にあることは容易に想像できるのだが、具体
的にどういう行為がそれに該当するのかということが法規の中に的確に言葉として織り込
めないため、ひとによってその解釈が分かれるということが起こっている。

道路運送と交通に関する2009年法律第22号第106条には、「運転者は注意を集中
して適切な運転を行わなければならない」と定められており、この条項に違反すれば罰金
75万ルピアあるいは3カ月の禁固刑に該当するのだが、あまりにも具体性に欠けている
ことから、これは典型的なゴム条項と見られている。

ただし、実社会でゴム条項が適用されたら警察がからむだけに大騒ぎとなるはずで、警察
側はその具体的な解釈をもちろん内部規定として持っている。

携帯電話器やスマートフォンを見たり操作しながら運転すること、テレビやビデオを鑑賞
しながら運転すること、疲労時や眠気のあるときに運転すること、アルコールや薬物の影
響下に運転することなどが警察の持っている判断基準だ。

ラジオや音楽を聴きながらの運転や、運転中の喫煙はその中に入っていないが、あまりに
も多発している交通事故とその注意散漫という事故原因に関して、マスコミの国民に対す
る警告が最近とみに強さを増している。

特に、聴くだけであるとはいえ、ながら運転が運転者の注意を分裂させていることは疑い
がないし、喫煙も同じだ。マスコミは完璧な注意集中を運転者に実践させて交通事故発生
を軽減させようとしているようで、警察が取締り対象にしていないそれらの行為も、違反
扱いして当然だという論調を張っている。それに対して首都警察交通局は警察側の判断を
公開して、それらは違反行為でない、という発言を行った。
「外部のクラクションなどが聞こえないほどラジオや音楽のボリュームをあまりにも強く
するのはもちろんダメだが、喫煙や音楽を聴くだけというのは交通違反切符の対象になら
ない。」

それがよくないと言っているのは、法律の条文の間違った解釈だ、と警察は主張している。