「強盗オンラインタクシー(後)」(2018年04月04日)

強盗オンラインタクシーのニュースが世の中に流れたことで、未遂事件の被害者が名乗り
をあげた。このひとは公認会計士事務所に勤めるSさん26歳で、プレート番号B220
5BFUのスズキエルティガ、運転者の名前がファッミ・イドリス、そして自分が襲われ
たときの手口がそっくり同じといったことが、かの女にその事件を確信させることになっ
た。

Sさんも職業がら、深夜まで残業することが頻繁だ。かの女はシスカさんが殺された二日
前に、強盗オンラインタクシーの被害者になりかかった。

そのとき、かの女はユーバータクシーに車をオーダーした。運転者のファッミ・イドリス
が「乗るのはあなただけか?」と尋ねたときに、非常に奇妙な印象を受けた。だが既に疲
れ切っており、アプリに示されている運転者と車両のアイデンティティが自分の目の前に
いるタクシーに間違いないため、かの女はそれに乗ることにした。かの女も第二列目のシ
ートに座った。

自宅に戻る道程で、運転者が別の道を通りたいと言ったとき、かの女は即座に拒否した。
家の近くの路地まで来たので、「ここで降りる」と言ったのに運転者はドアロックを開こ
うとしない。

そのとき、後ろの第三列目シートで人間が動く音がし、腕が伸びてきてSさんの首に巻き
付こうとしたため、Sさんは右腕を使って後ろの男の腕をよけつつ左手でドアロックを開
いて外に転がり出た。そして大声で「助けて!」と叫びながら自宅に向かって全力疾走し
た。

左脚と右腕に擦り傷と打撲を被っただけで、Sさんは無事に自宅へ戻ることができた。ス
ズキエルティガの男たちはだれも車外に出ず、そのまま行方をくらました。

オンラインタクシー会社が事業パートナーと位置付けている運転者たちは、別の会社との
掛け持ち契約を厳しく禁じられている。だが犯人たちは明らかにその違反行為を行い、オ
ンラインタクシーシステムのメソッドを有効活用して犯罪を企てていたのは明白であり、
決して一時の出来心に導かれたものでなかったことは言うまでもあるまい。

最近発生したオンラインタクシー利用者(消費者)が運転者から被害を受けた事件は次の
ようになっている。
2018年3月18日 シスカさん殺害
2018年3月16日 Sさん強盗未遂
2018年2月12日 タングランで28歳の女性がレープされる
2018年1月17日 バンドン市で女性銀行員が強盗被害
2017年10月11日 マカッサルで18歳女性のレープ未遂
2017年9月5日 メダンで乗客女性へのセクハラ行為
2017年5月25日 ジャカルタでメーター料金を超える過剰請求
[ 完 ]