「サバ缶から寄生虫の死骸」(2018年04月09日)

食品薬品監督庁(BPOM)が2018年3月30日、全国に流通市販されているサバの
魚肉缶詰の中に寄生虫の死骸が含まれているものが発見されたとして、27のブランドを
公表した。

BPOMが検査を行ったのは66ブランドあり、541本のサンプルが調べられで27ブ
ランドから138バッチに寄生虫の死骸が見つかった。その27ブランドは国内生産品が
11ブランド、輸入品が16ブランドという内訳になっていた。ブランド名は次の通り。

[ABC][ABT][Ayam Brand][Botan][Cip][Dongwon][Dr.Fish][Farmerjack][Fiesta 
Seafood][Gaga][Hoki][Hosen][Io][Jojo][King's Fisher][LSC][Maya][Nago/Nagos]
[Naraya][Pesca][Poh Sung][Pronas][Ranesa][S&W][Sempio][TLC][TSC]

更に、国内生産者が使用した魚肉材料の多くは中国から冷凍輸入されたものであり、同時
に16輸入ブランドの多くも中国産だったことが明らかにされている。

その発表を受けてインドネシア消費者保護財団は即日、どうして輸入材料に汚染が起こり、
また衛生的でない製品が作られたのかについて、BPOMは製造工程の調査を行わなけれ
ばならない、との声明を出した。


BPOMは海洋漁業省と協力して、捕獲現場から缶詰製品製造段階に至るプロセスチェー
ンに対する監督を強化することにした。海洋漁業省海洋漁業産品競争力向上総局長はそれ
に関して「このような事件はインドネシアで初めてのことであり、当方はBPOMに協力
して材料入手経路の調査に取り掛かる所存である。」とコメントしている。

材料として使われた魚がいつどこで捕獲され、だれが輸入してどこに卸し、卸した先が何
に使ったのかを調査して、もしまだ未使用状態のものが見つかればその検査を行い、検査
結果が判明するまで使用を制限するといったことが、これから行われる内容になる。

BPOMは上記27ブランドの生産者と輸入者に対して、今後一カ月以内に流通網からす
べての製品を回収した上で廃却処分を行うように命じると共に、包括的監査が完了するま
での間、該当製品の新たな生産と輸入を禁止した。

近海魚によく見られる寄生虫はアニサキスで、その生体が体内に入れば胃や腸の壁に貼り
ついて腹痛・嘔吐・下痢・血便などの症状を引き起こす。アレルギー症状が起これば、生
命に関わることもありうる。

ただしBPOMの発表によれば、缶詰で見つかったのは寄生虫の死骸であり、生体ではな
いものの、BPOM側は死骸であっても消費者にアレルギーを起こさせかねないこと、更
に不衛生であることを理由にして強い措置を執っている。