「サバ缶製造業界に大打撃」(2018年04月10日)

サバ缶問題で大恐慌をきたしたのは、魚肉缶詰製造業界だ。東ジャワ州バニュワギ県ムン
チャル郡には12の魚肉缶詰と魚粉製造会社が集まっており、生産センターを形成してい
る。

そのひとつ、PTマヤムンチャルは今回の突発的事件に襲われた会社である。同社はその
とき、サバ缶詰生産材料としてコンテナ7本分のサバを在庫していた。在庫量は150ト
ンに達する。キロ当たり1万ルピアと仮定しても、総額15億ルピアが寝てしまうことに
なる。おまけに結末がどうなるのか、まだはっきりとは分からない。はっきりしているの
は既に流通網に流した製品を全数回収して廃棄することであり、そこで発生する損失に1
5億ルピアが上乗せされる可能性もないわけではない。

別の工場、CVパシフィックハーベストの生産課長は、市場でのサバの缶詰の需要がピタ
リと止まってしまった、と語る。それがこのあと、生産にどう響いてくるのか、その影響
が懸念されている。

「こんなことが起こらないよう、政府は輸入魚の品質監督をもっとしっかり行うようにし
てほしい。」とかれは政府に要望する。2010年に起こった国内漁獲品流通枯渇の結果、
同社はサバ缶製造原料のサバを輸入でまかなうようになった。輸入先は数カ国あるが、メ
インは中国だ。

ムンチャルに入る輸入魚はスラバヤの検疫総館が消費適性を検査し、搬出許可を添えて送
られてくる。更にムンチャルに入る時点で海洋漁業省資源監督総局職員がチェックを入れ
る。

PTマヤムンチャルはそれに加えて、魚肉缶詰製造に関するHACCPサーティフィケー
トすら取得して実践しているのだ。輸入時の検査をより実質的なものに向上させなければ、
今回のようなことが繰り返される可能性は高い、と同社業務課長はコメントした。

バリ州水産品安全品質管理水産検疫館は、管下域内市場から集めたサバ缶サンプルを検査
したが、それらのサンプルから寄生虫は発見されなかったと表明した。

デンパサル食品薬品監督総館でも市販サバ缶のサンプルを検査しており、結果はネガティ
ブだったそうだ。


産業界は今回のできごとに関して、当惑に覆われている。インドネシア魚肉缶詰協会会長
は該当する27ブランドの缶詰の市場回収命令が業界にはかりしれない打撃をもたらすだ
ろうことを懸念している。
「全国の多数のモダンマーケットは27ブランドの商品を返送し、新たな配送を拒否して
いる。BPOMが発見した問題に関して、消費者からの被害届はまだどこにも出ていない
そうだ。」

通例なら、まず消費者に被害が起こり、それが拡大するのを防ぐためにとられる措置が、
それらの前提が空白なままに予防措置として産業界に命令が出されていることを会長は指
摘しているにちがいない。

国内産の該当缶詰もたくさん輸出されている。今回の措置に関連して、外国の輸入者から
も「状況を納得できるように説明してくれ」という問い合わせが相次いだ。それらの国で
この商品に関するクレームが起こったことは一度もなく、ましてやインドネシア産のそれ
ら商品が国際品質基準を満たしているとの審査結果が出されているのだから。

「国内流通商品の廃却命令は被害届を根拠にして、十分な調査と検討を踏まえた上で出し
てほしい。」と会長は政府への要望をコメントした。

流通商品の回収ということだけでさえ、経済に大きい悪影響を与えることになる。世界中
のマーケットに培ってきた信用が粉砕され、踏みにじられてしまうのだから。