「知らないところで口座が破られる」(2018年04月20日) 銀行顧客の個人データが、インターネットで売買されている。Temanmarketing.comで売買 されているデータはおよそ1千件あり、一件あたり100〜150万ルピアで販売されて いた。 商品売込みのためというお題目ではあっても、実需要は詐欺師をはじめとする犯罪者が形 成している。犯罪者たちはまず、それらのデータの中で携帯電話番号が生きているものを 最初に探す。犯罪者が口座破りを行うのに被害者の携帯電話器が不可欠だからだ。 手口の一つは、犯罪者が銀行のコールセンターに電話して被害者のクレジットカード再発 行を請求することから始まる。理由は「カードをなくした」で済む。犯罪者は同時に、住 所と携帯電話番号の変更を届け出る。言うまでもなく銀行側は本人審査を行うが、本人の データを持っているのだから、審査を通って当たり前だ。 こうして変更を届け出た住所に送られてきたカードを使って、犯罪者は被害者が気付くま でカードを使いまくるという寸法だ。 もう一つの手口は、犯罪者が銀行職員になりすまして被害者に電話し、だれかがクレジッ トカードを使っているからブロックしたほうがよい、と誘導する。被害者がOKを出すと、 ワンタイムパスワードとカードの有効期限を求め、被害者の個人データを使ってカードを 使いまくるという寸法。 Temanmarketing.com制作者32歳はボゴールで逮捕された。そのサイトでは、商品マーケ ティングのためと称して、銀行顧客の個人データを居住地域ごとにまとめてリストアップ し、販売していた。警察はそのサイトをクローズしたと述べている。 かれが逮捕されたのは、そのサイトからデータを購入して口座破りを行っていたパレンバ ンのグループが警察の網にかかったためで、この一味は2018年1月から3月までの間 に20回犯行を行い、総額5億ルピア前後を盗み取っていた。