「女性もMRTの運転士」(2018年04月24日) ジャカルタMRTの開業は2019年3月が予定されている。PT MRTジャカルタ社 は既に地下鉄運転士を41人採用し、今は教育訓練の真っただ中だ。その41人の中に、 女性が6人いる。採用条件に性別の違いはなく、男女ともに身長160センチ以上、また 精神傾向を測定する心理テストの結果に対する評価などによって合否が決まる。 運転士として必要な知識や実技を陸上交通高等学校や鉄道アカデミーで学んできたかれら には、教育訓練の一環としてLRTを運行させているマレーシアでの実地訓練の機会も与 えられている。 女性運転士たちは20代前半の若さだ。平常状態で車両を運転するのはリラックスしてで きるが、異常事態が発生するとドキドキする、とそのひとりは物語る。 「コントロールセンターとの通信に従って運行させていますから、通信中に通話が切れた りしたら、ほんとうにドキドキします。そんなときには走行を停止させて扉を開き、乗客 を車外におろします。そのとき昇降階段を扉の前に置かなければなりません。マレーシア のときは、昇降階段の重さが40キロもありました。ジャカルタMRTは幸いなことに1 2〜13キロなので、その点は楽です。」 別のひとりは、駅員になるつもりで採用に応募したと語る。 「思いがけなく、運転士に採用されたんです。わたしにできるかしら・・・って、しばら くはグロッキーになりました。でも会社がわたしにできると考えて採用してくれたんです から、わたしは自分の能力を信じてベストを尽くすつもりです。マレーシアにも女性運転 士は大勢いました。この職業に対する見方を変えることが大事だろうと今は思います。」 PT MRTジャカルタ社の従業員採用は進展している。列車の実地運行に関わる職場だ けでも決して少なくない。車両メンテ、線路保全、信号通信オペ、送電メンテ、総合サー ビスなどのさまざまな部門が列車の運行を支えており、それらの技術的業務部門にも女性 が男性と肩を並べて配属されている。 運行保全業務担当取締役によれば、従業員の男女比は三割が女性になっているとのこと。 現場での技術的な仕事は男の世界という時代は過ぎ去ったようだ。