「バリ島西部へはバニュワギから行け」(2018年04月24日)

バリ島南部を中心とする観光産業の進展から取り残されてきたバリ島西部地区が、ジャワ
島東端バニュワギ(Banyuwangi)県の観光振興のしぶきを浴びて、今伸びあがりの構えに入
っている。

バニュワギ県の観光産業発展は目覚ましいものがあり、これまでスラバヤに次ぐ東ジャワ
州第二の経済センターだったマラン(Malang)地区を今や蹴落とさんばかりの勢いだ。

かつてはスラバヤとデンパサルの二大空港にはさまれて寂れたローカル空港でしかなかっ
たバニュワギのブリンビンサリ(Blimbingsari)空港は滑走路やターミナルビルの拡張がな
されて、次は国際空港へのレベルアップを待つばかりになっている。

ジャカルタからブリンビンサリ空港への直行フライト便数が増加するのに伴って、バニュ
ワギを通過するバリ島西部地区への観光客が目立ってきた。デンパサル空港に降りればバ
リ島西部地区へは陸路5〜6時間の所要時間だが、ブリンビンサリ空港に降りたならバリ
海峡を渡って1〜2時間で着くことができる。

県内の観光産業化が軌道に乗ったバニュワギ県庁は次の戦略としてバリ島西部地区までカ
バーする広域観光の進展に乗り出した。バリ島観光がいつまでも南部の独高状態であるこ
とが、かえってバニュワギ側に幸いしたかのようだ。

バリ島に渡る観光客を黙って見逃すことはない。バニュワギ県の観光スポットをかれらの
プログラムの中に加えてもらおう。バニュワギ県観光局はバリ島ジュンブラナ(Jembrana)
県とブレレン(Buleleng)県に提携を申し入れて、観光スポットや宿泊施設運営者から相互
乗り入れの合意を獲得した。こうすることでバニュワギ側とバリ島側は観光客にオファー
するパッケージのバリエーションを豊富にし、バリ海峡をはさむふたつの地域で観光客に
より長期間のホリデーを過ごしてもらえるようになる。

バリ島西部地区で1〜2週間をダイビングと静かな自然環境に親しみながら滞在する観光
客に、今後はイジェン(Ijen)火口ブルーファイヤー、クミレン(Kemiren)文化遺産、カリ
クラタッ(Kaliklatak)エコツーリズムなどのお楽しみツアープログラムが追加されるこ
になりそう。

西バリ国立公園内ムンジャガン(Menjangan)地区にあるプラタランムンジャガンリゾート
&スパ経営者は、これまでも予約客にバニュワギ空港経由で来るよう勧めてきた、と語る。
「バニュワギに来てもらうほうが、お客の送迎には便利で楽なんです。ホテル所有の高速
艇で迎えに行きますから、1時間もかかりませんよ。これがデンパサルまで車を出すとな
ると、たいへんです。

おかげで、昔は30%だったバニュワギへの迎えは、今や60%に増えています。ローカ
ルツアーを希望されるお客へも、バリ島内だけでなくバニュワギの観光地も奨めています。」
ほとんど何もないと言われ、一種のハイダウェイと見られているバリ島西部地区観光開発
は、これからが正念場だろう。