「外人就労者監視は既に国家問題(前)」(2018年05月23日)

外国人就労者監視チームは各地方自治体単位で活動している。このチームは各地方自治体
に置かれたイミグレーション総局の地方事務所を中心にして、その地方を所轄する警察と
軍、そして地方自治体の労働管理と住民管理部門で編成されており、法務人権省イミグレ
ーション総局の統括下にある。つまりそこが中央政府にとっての窓口であるという構図だ。

そのパイプをもっと太くして、よりきめ細かい情報収集と指令、更に政府部内での現場へ
の指示の一本化を図るために、政府は新たに外国人就労者管理に関連する業務を持つ24
省庁の合同で外国人就労者監視タスクフォースを編成した。

これは就労外国人の違反行為を監視し摘発する現場行政がまったく不満足な成果しかあげ
ていないことに対して、この既に国家問題になっている状況を改善するために国会第9委
員会が政府に提案した要望に対応するための措置でもある。

違反者摘発は現場行政を担う監視員が足で稼ぐ方法を取っており、摘発が後手後手に回る
のは監視員の人数が足りないためというエクスキューズがまかり通っているために、タス
クフォースを編成して24省庁の人数を現場に応援に出すことでその弱点をカバーすると
いうのも、このプロジェクトがもたらす効果のひとつになるだろうとの期待もある。

だが本質がそこにあるのではなく、労働省法執行育成局長がヘッドを務めるこのタスクフ
ォースは外国人就労者がどの地方にどれだけいて、どのような条件で働いており、国家経
済に対するその効果はどうなのか、というオーバーオールな現状のマッピングと分析を行
うのが狙いであり、このタスクフォースは6カ月間という期間限定で編成されたものの、
必要とあれば期間は延長される。

労働省データによれば、2012年以来外国人就労者数は増加傾向にある。
2012年 60,670人
2013年 70,120人
2014年 73,624人
2015年 77,149人
2016年 80,375人
2017年 85,974人
[ 続く ]