「ゴロンタロの旅(1)」(2018年06月04日)

北スラウェシ州の西部をなしていたゴロンタロ地方が州に昇格したのは2000年のこと。
ここは何百年も昔から、ヌサンタラの通商路が通っ通過していた場所だ。州南部はトミニ
湾に面しており、反対に北部はスラウェシ海に面していて、マレーシア・シンガポール・
ブルネイ・フィリピン・日本・韓国・香港・台湾につながっていた。スパイス貿易航路が
スパイスの産地だけを結んでいるわけでは決してない。産地でなくとも当時の航海はあち
こちの寄港地を必要としたのである。ゴロンタロは重要な寄港地のひとつだったのだ。

スパイス国民衆ネットワークとオマル・ニオデ財団がスパイス国探訪プログラムの中にゴ
ロンタロを加えたのはそれが理由だった。スパイス航路の要衝のひとつとしてゴロンタロ
はスパイス豊かな料理の伝統を築いている。種々のスパイスを使う料理メニューは軽量級
から重量級までたっぷりとある。タブモイトモ(tabu moitomo)別名ブギススープでは33
種類のスパイスが使われる。そんなゴロンタロ料理を味わう前に、まず旅を楽しもう。

2018年3月10日(土)
午前7時: 朝食
ホテルの朝食はやめて、ローカルの朝ごはんを楽しもう。ゴロンタロ人は朝食に黄飯(nasi 
kuning)を好む。黄飯を食べさせてくれる店はたくさんある。そのひとつ、ストヨ通りに
ある食堂「サバルムナンティ(RM Sabar Menanti)」でナシクニンホラを試してみよう。
この食堂の建物は既に126年を経たそうだ。食堂自体も60年の歴史を誇っている。

8時〜14時: ドゥラマヨ
腹ごしらえができたら、観光だ。ゴロンタロ県トゥラガプンチャッ郡南ドゥラマヨ村(Desa 
Dulamayo Selatan)へ向かう。この村が有名なのは、村民が自力で種々のスパイスを栽培し
ていることによる。クローブ・バニラ・ナツメッグ・キャンドルナッツ・コショウ・フェ
ンネル・等々。アレンヤシやバナナの畑もたくさんあって、赤砂糖が作られ、バナナの花
のつぼみも食用に供されている。
ゴロンタロの町からこの村までは、自動車でおよそ1時間。道路は完璧に舗装された部分
もあれば、石だらけのところもある。海抜5百から1千2百メートルという落差の激しい
尾根に沿って曲がりくねる道は、ここならではの味わいだ。[ 続く ]