「腐敗社会の実相」(2018年06月08日)

2018年1月3日付けコンパス紙への投書"Suara TKI dari Malaysia"から
拝啓、編集部殿。海外出稼ぎ者になることは、まったくわたしの本意でありませんでした。
学校での成績が常に評点8を超えていたわたしの理想はこのようなものでなかったのです。

職業高校を終えたわたしは、就職活動を行いました。裁縫・コンピュータ・数学・その他
さまざまな能力証明書を手にして、わたしは誇りに満ちてジャカルタの諸工場を訪れまし
た。面接での質問にどう答えるかということまで、わたしは用意したのです。
ところがわたしの想像とは裏腹に、面接者が尋ねたのはまったく違うことがらでした。

「あんたは誰の伝手でここへ来たのかね?」
わたしが困惑していると、かれらは質問を繰り返しました。
「ここでの採用の話を誰から聞いたの?」
その問いにわたしは即応しました。
「こちらの工場の表に張られた垂れ幕に書かれていました。」
すると何ということでしょう・・・、かれらがわたしに言った「もう帰りなさい。」とい
う言葉に、わたしは愕然としてしまったのです。

わたしが海外に住もうと考えたのは、そんな体験が契機でした。今わたしは、隣国マレー
シアで働きながら大学に通っています。わが祖国インドネシアはわたしの能力を信頼して
くれませんでした。だからわたしは現在、自分の能力を隣国に提供しているのです。

インドネシアよ、あなたは一体何人の国民を国外に捨てようとしているの?BJハビビ、
スリ・ムリヤニ、そしていったいどれだけたくさんのひとびとの意欲を、あなたはこれま
でにへし折ってしまったのでしょうか?

わたしが採用面接の場で体験したことは、汚職・癒着・縁故主義の一部だったのではあり
ませんか?犠牲者は今後どれほど増えるのでしょう?
[ マレーシア在住、イイス・クルニアシ ]