「クオリティ評価は評価者のクオリティ次第(1)」(2018年06月21日)

PISAと略称されるOECD生徒の学習到達度調査は15歳の学校生徒を対象にして三年
ごとに行われる。調査内容は科学知識・読解力・算数能力の三分野だ。

アジア諸国の成績を見ると、次のようになっている。
国名    得点・2012年調査/2015年調査
シンガポール 551/556
日本     547/538
台湾     523/532
ベトナム   528/525
香港     555/523
韓国     538/516
マレーシア  420/443
タイ     444/421
インドネシア 382/403
平均     501/493

2015年調査におけるインドネシアのランキングは、世界70カ国中で科学62位、数
学63位、読解64位だった。


教育文化省が行っている現職教員能力養成プログラムでは、セミナーが終わるとテストが
実施される。2015年と2016年の平均点を比較すると、次のようになる。
レベル   指導能力・2015年/2016年
幼稚園   44.06/65.72
小学校   42.57/67.52
中学校   36.51/63.87
普通科高校 47.79/65.12
職業高校  43.58/68.52
特殊高校  36.21/67.78
レベル   知的能力・2015年/2016年
幼稚園   43.01/65.92
小学校   39.13/65.07
中学校   35.01/66.79
普通科高校 33.90/68.20
職業高校  33.83/72.08
特殊高校  42.79/65.80

2015年の合格点は55だから、いかに教員のレベルが低いかということがここから見
える。2015年のプログラム参加者は270万人で、全国の教員の実態を反映している
が、2016年は参加者が42.7万人でしかなかったために、全国の実態が反映されて
いない。つまりこのデータは能力向上を示すものでないということだ。[ 続く ]