「前途に不安を抱くチルボンのホテル業界」(2018年06月26日)

2018年ルバランホリデーに際して政府が国家公務員に与えたルバランボーナスや第1
3カ月目給与などがホテル業界の客室稼働に顕著な貢献をした、と全国ホテルレストラン
会会長が発言した。

会長によれば、現在全国のホテル客室数は過剰気味になっていて、なかなか高い稼働率を
得るのは困難だが、今年のルバランホリデーでは長期だったことや資金的な余裕が出たた
めにジョグジャ、ソロ、マラン、チルボン、プカロガンなどのメイン帰省地では客室稼働
率が80から90%に達し、昨年のシーズンよりも10%成長になった、とのことだ。

ところがチルボン市内のホテル業界は手放しで喜んでいるわけでもない。確かに稼働率百
パーセントの日々もあったが、昨年のシーズンよりもそれは短いものであり、ジャカルタ
〜スラバヤ間自動車専用道全線開通のためにホテル利用者は減少傾向にあるとの危惧を表
明している。


あるホテルのGMは、今年のルバランホリデー期間中の客室稼働百パーセントは6日間し
かなく、昨年の2週間近く続いた実績に比べたら、前途が大いに悲観されると述べている。
6月20日にはついに60%まで低下したそうだ。

今年の宿泊客はほとんどが数日前に予約を取ってからやってきており、ウオークイン客は
10%くらいしかいなかったらしい。それはつまり、チルボン近辺まで来て疲れたからホ
テルに泊まろうという客が激減し、ひとびとはどんどん先まで自動車道を走り去っていく
状況になっていることを意味しているのだ。

2015年はチパリ自動車道(チコポ〜パリマナン間)が開通し、車はプルンボン料金所
で一般道に降りた。チルボン市内へ8キロの距離だ。開通するまでは国道1号線を5時間
かけて走っていたが、開通後は2.5から3時間でチルボンに到達できるようになった。

2016年は東ブルブスまでつながり、そこで一般道に出た。チルボンまで25キロ離れ
ている。ところが今や車はスラバヤまで自動車道を走り続けることが可能になり、疲れた
からチルボン市内まで行って宿泊しようという動機は弱いものになってしまった。


2016年にチルボン市内にはホテルが65軒あったが、今では107軒になっていて、
いささか過剰気味の印象がないわけでもない。だがチルボン市当局は、クルタジャティ西
ジャワ国際空港の本格稼働で状況はまた変わると見ている。もし空港との関連で状況が好
転するなら、ルバランのようなシーズン性からはかなり解放されるかもしれない。