「人材争奪戦に勝てるか?(後)」(2018年06月29日)

米国に留学する者も多い。インドネシア出身者で米国の大学教授になっている者は80人
おり、70を超える大学で活動している。助手になっている者は6百人を超え、修士号・
博士号を持って企業で働いている者は百数十人いる。国籍問題で鉱エネ大臣の座を失った
アルチャンドラ・タハル氏もそのひとりだったわけだ。

かれの事件は、日本でいまだに本当のロジックが理解されないまま二重国籍が解任の理由
という誤った理由付けで国民の間に流れ続けているが、法律上の論理はインドネシア国籍
を持たない人間は大臣に就任できないという点にあり、インドネシアにあり得ない成人二
重国籍者があたかも存在しうるような理解を日本国民全般に植え付けようとしている論調
は、国際音痴を助長させるものにしかならないだろう。その姿の裏側にインドネシア蔑視
を感じるひとはいないだろうか?


米国にはインドネシアディアスポラネットワーク=ユナイテッド(IDN−U)という在
留インドネシア出身者を糾合する団体がある。この団体が2015年4月4日から12月
22日までの間に行った調査が公表されている。調査対象者はインドネシア国籍者312
人、米国籍者131人の合計443人。

滞在期間は次のようになっていた。
1年未満   2.7%
1〜4年   9.0%
5〜9年  16.7%
10〜14年 26.0%
15〜20年 27.8%
20年超  17.8%

学歴
学士下 29.6%
学士号 46.3%
修士号 20.1%
博士号  4.1%

故郷への年間仕送り額
ゼロ  14.9%
1百米ドル未満  3.6%
1百〜999米ドル  26.4%
1千〜9,999  41.1%
1万〜24,999  11.3%
25万超  2.7%

インドネシアの財団への年間寄付金
ゼロ  34.4%
1千米ドル未満  51.9%
1千〜9,999  12.9%
1万超  0.9%
[ 完 ]