「発展する映画産業」(2018年07月25日) オルバレジームが終焉してから20年、インドネシアの映画産業は見違えるような躍進を 遂げた。制作本数、テーマの多様化、クオリティ向上、観客動員、いずれをとっても、イ ンドネシア映画史の過去の様相からは想像もできなかったような状態に至っている。中で もかつてタブー視されていたテーマが採り上げられて深い考察が加えられるようになって きたことは、映画産業におけるこの民族の成長ぶりを示すものと捉えることができるだろ う。 2016年に公開された作品「Warkop DKI Reborn: Jangkrik Boss! Part 1 」は680万 の観客を動員して有史以来の記録を作った。翌年発表されたこのシリーズの次作は観客動 員数400万で、420万の対抗馬「Pengabdi Setan」と優劣を競った。2018年は 「Dilan 1990」が630万人を動員している。もはや、観客動員数100万を超える作品 は珍しいものでなくなっている。その昔、映画産業が枯れてしまわないようにと映画人た ちが政府に補助金を求めた時代があったが、まるで隔世の感が否めない。 コンパス紙R&Dが諸方面から集めたデータにもとづいて、1998年から2018年7 月までの間に公開された1,201本の作品の内容分析を行った。レフォルマシ期の映画 産業のあらましは次のようになっている。 1)ジャンル別比率 ドラマ 48.4% ホラー 22.4% コメディ 17.6% アクション 4.6% 子供向け 4.2% スリラー 2.9% 2)テーマ別比率 恋愛 30.6% オカルト 23.7% ファミリー 14.2% 犯罪 7.1% 社会 6.7% 青春 6.1% その他11.7% テーマのとらえ方は映画パンフレットや映画百科サイトをベースにしており、コンパス紙 が判断したものではない。 3)2007年〜2018年7月間の観客動員数トップ10作品 1. Warkop DKI Reborn: Jangkrik Boss! Part 1 (2016) 6,858,616- 2. Dilan 1990 (2018) 6,315,664- 3. Laskar Pelangi (2008) 4,719,453- 4. Habibie & Ainun (2012) 4,583,641- 5. Pengabdi Setan (2017) 4,206,103- 6. Warkop DKI Reborn: Jangkrik Boss! Part 2 (2017) 4,083,190- 7. Ayat-ayat Cinta (2008) 3,676,135- 8. Ada Apa Dengan Cinta 2 (2016) 3,665,509- 9. My Stupid Boss (2016) 3,052,657- 10. Ayat-ayat Cinta 2 (2017) 2,840,159-