「女性を虐げる三問題(2)」(2018年08月07日)

十分な栄養が与えられないため、子供は病気がちになり、脳の発育も不十分になる。短躯
児童の性別データは見られないものの、女児に対する影響のほうが大きいのは明らかだ。
なぜなら、女児たちは将来、劣悪な健康状態の子宮で、しかもまだ妊娠する準備すら整っ
ていない状態にもかかわらず、出産しなければならなくなるのだから。

2010年保健省基礎保健調査データに基づけば、短躯児童発生率は最貧層(第1群)に
もっとも多いとはいえ、それより良好な社会経済階層にも顕著に発生している。第5群階
層ですら、26.9%を超える児童に短躯が起こっているのである。つまり矮小体躯問題
というのは、ドメスティックなことがら(食事パターン・養育ビヘイビア・夫/男性の役
割)によって引き起こされている貧困問題として眺めることのできないものになっている
のだ。そうでなく、食糧自給・基礎国民サービスのクオリティ・方針決定の際のジェンダ
ー格差などといったもっとマクロな状況をその原因として捉えなければならなくなってい
る。

< 女子割礼 >
一方女子割礼について、われわれはその事実に対する観察眼をもっと明晰なものにしなけ
ればならない。国際データには、インドネシアが常に女子割礼実践の多様な国として登場
しているのだから。実際、それ自体を間違った見解と言うのも困難だ。インドネシア文化
では、女子割礼やポトンギギといった形で成人を目指す通過儀礼が慣習的に営まれている
のも事実なのである。

人口と開発のための国際会議がカイロで1994年に開かれたころまで、その問題に注意
を払うひとはきわめて少数だった。パリの社会学者アンドレ・フェイリャールはインドネ
シアの女子割礼を、子供の母親と割礼ドゥクンの間でのささやきの中に封じ込められた行
為であると分析した。

女子割礼が脚光を浴びるようになったのは、アフリカやアジアの諸国(インドネシアを含
めて)における女子割礼の実態に関するレポートに国際社会が目を向けるようになってか
らのことだ。最初それは百パーセント、伝統オーソリティが行う伝統行為とされた。とこ
ろが国際社会が危険と見られる行為に対する警告を発するようになって、国はそれに合わ
せようとした。インドネシア政府は2010年保健大臣規則第100号を定めた。
[ 続く ]