「ロンボッ島連続地震が新局面に」(2018年08月27日)

2018年7月末に起こったM6.4の地震を皮切りにして、ロンボッ(Lombok)島リン
ジャニ火山の北にあるバヤン村の地底32キロを震源とするM7.0の地震が18年8月
5日にロンボッ島北部の海洋観光地区を打ちのめして以来、連続して発生する強い余震が
島民の生活を絶望の淵に導いて行った。

小スンダ列島の北側に沿ってジャワ海を東西に走るフローレス断層と、島の東西でスンバ
ワ島とバリ島からロンボッを切り離しているアラス海峡とロンボッ海峡にある断層に包ま
れているロンボッ島で断層の激しい運動が始まれば、地底のエネルギーは玉突き式に衝撃
的な動きを伝えていくことになりかねない。

強い余震は連日のように続き、8月19日夜にリンジャニ火山の火口から北東に32キロ
離れた海底で地下10キロを震源とするM6.9の地震が発生したことで、ロンボッ島連
続地震は新たな局面に移行した。

地学気候気象庁が発表した震源のマッピングによれば、8月19日までの震源はスンギギ
海岸から北東部のブランティン村あたりまでの北海岸部を総なめにした観があり、更に?1
9日以降の震源はそこからアラス海峡北部そしてスンバワ島へと東に移っていることがは
っきりと分かる。


このロンボッ島連続地震がバリ島にそれほどの影響を及ぼしているようには見えない。地
震そのものについて言うなら、ロンボッ島リンジャニ火山北東部の地底を震源とする地震
は、バリ島南端に?住んでいるわたしの生活環境では、M6.7未満であれば揺れを感じる
ことはほとんどないことが分かった。なにしろ直線距離で150キロ離れているのだ。バ
リ島南部観光センターのクタやサヌールでも似たようなものではあるまいか。

たとえば18年8月5日にM5.0を超える地震がロンボッ島北部で6件発生しているも
のの、19時46分のM6.8と数十秒後にかぶさるようにして起こったM7.0のもの
以外は体感していない。たまたま8月23日午前7時前に激しく揺れたので、またロンボ
ッで大きい地震があったかと思ったが、これはバリ島南部海岸からおよそ85キロ南西の
スンダメガスラストで発生したM5.1のものだった。