「ロンボッ観光業界に試練」(2018年08月30日) ロンボッ島のホテルレストラン業界はとりあえず地震で損壊した施設の修理に取り掛かっ ていて、営業はしていないか、もしくは細々と少ない客にサービスしているところがほと んどだ。こんな時期に遊びに来た客は静かで混雑のない環境を堪能し、またあらゆるサー ビス業者から引く手あまたで、かゆいところに手の届く?サービスを受けているに違いない。 しかしロンボッ島の観光産業がフル再開するまで、従業員の多くが自宅待機になっている。 96室を擁するホテルイドゥプマタラムは平常7割の客室稼働率だが、今は改修工事中で 閉店している。およそ40人の従業員は28人を残して12人を自宅待機にした。言葉は そうだが、実態は解雇と違わない。賃金保証はない。自由に仕事を探してくれ、というわ けだ。9月に営業再開の予定であり、営業再開時にもしまだ転職していなければ再雇用す るという話になっている。 ホテルクインシーヴィラズは78室の稼働が25%までダウンしている。経営者は従業員 234人のうち25%に有休消化を命じた。ここは全従業員が基本給を保証されており、 有給休暇をまだ消化していない者に休暇を取るよう勧められている。 ホテルキラは166室の稼働が87%から30%に激減した。従業員は毎日出勤させてい るが、厨房と食堂で使っていたパートタイマーはすべて使わなくなった。ギリトラワガン のあるレストランは、従業員7人を自宅待機にした。賃金保証は給与の半分。 旅行代理店協会支部長は、今のところ従業員解雇は起こっていないものの、現状が二カ月 継続すれば、耐えられないところが出てくるだろうと見ている。ホテルレストラン会は、 当面解雇者は出さないようにし、有休消化で対応することを申し合わせているそうだ。 州観光局長はこの状況について、「観光業界は事業意欲の挫折したオーナーが従業員を自 宅待機させているが、自宅待機させられた従業員も自分の家が損壊しており、ダブルパン チを受けたも同然だ。この状態が長引けば、新たな社会問題が発生しかねない。」との懸 念を表明している。