「コモドに流れるロンボッ観光客」(2018年08月31日)

ロンボッ島連続地震は依然として島内を震源とする地震が続いているが、東隣のスンバワ
島やもっと東に離れたティモール島クパンでも連続して発生するようになった。

スンバワ島では8月26日に二度大きい地震が起こったあと、しばらく鳴りを潜めたが、
29日にまたM5.0の地震が発生している。一方、クパンでは27日以降、何度も大き
い地震が起きている。

ロンボッ島北部ではかなり頻度が低下してきており、震源は東の方に移動した気配が感じ
られる。バンドン工科大学地震専門家はスンバワ島やもっと東の東ヌサトゥンガラ住民に
対して警戒を更に強めるよう警告した。但しフローレス断層は東ヌサトゥンガラからバリ
島に至る地域の北部海底を東西に走っており、地震は東だけでなく今後西に伝播していく
可能性もあることを指摘している。西はシガラジャ〜ロヴィナを主観光地とするバリ島北
海岸部がその影響を強く受けることになりかねない。


そんな状況下にあるヌサトゥンガラの島々で、スンバワ島とフローレス島にはさまれたコ
モド島への観光客が急増している。コモド国立公園を18年8月1〜25日の間に訪れた
外国人観光客は14.235人で、7月ひと月間の7,282人から倍増した。2017
年のデータを見ると、7月は6,021人、8月6,212人となっており、18年8月
の激増はロンボッ島からの大量シフトを十二分に推測させるものだ。

通常ならバリとロンボッが組み合わせられるところ、ロンボッになりかわってコモドある
いはラブアンバジョが採り上げられている趣が強い。そしてその一部はフローレス島の他
のエリアにまで伸びてきている。

ルテン(Ruteng)を訪れていたイギリス人女性の話では、バリ〜ロンボッのパッケージが地
震でだめになったために、バリからエンデ(Ende)〜バジャワ(Bajawa)〜ルテン〜ラブア
ンバジョ〜コモドというルートに変更したそうだ。

東ヌサトゥンガラ州の各地で、外国人観光客が急増しているが、公式な数字はまだつかめ
ていないらしい。旅行代理店協会州支部長は好況であることを認めつつ、この際にチャン
スをとらえて積極的にプロモートをすればもっと大きな成果が得られるはずだが、準備が
足りない、とコメントした。地元の文化的催しを行って観光客誘致を行うアイデアはどこ
からも出されていないようだ。

ラブアンバジョのホテルジャヤカルタは連日フルブッキングになっている。宿泊客はほと
んどが外国人で、インドネシア人は一握りしかいない。外国人観光客は平常の4割増しに
なっている、とマネージャー氏は述べている。


一方、地震禍が通り過ぎた感のあるロンボッ島スンギギビーチやギリ三島では、去ってし
まった観光客を呼び返すために、ツアー・ダイビング・ホテル・レストランなど観光業界
は一丸となって割引販売を打ち出しはじめた。島に観光客を連れてきてくれる空運海運業
界が同じ企画を踏襲してくれればダメ押しになるのだが、その話はまだ出来上がっていな
いそうだ。