「バリ島シガラジャでイミグレ法違反(1)」(2018年09月05日) 2018年5月2日にバリ州ブレレン県のシガラジャ第二級イミグレーション事務所にコ マン・エリ・アグス・ハルトノがパスポート発給を申請した。 申請窓口では妻と名乗る女性ドゥサッ・プトゥ・リカ・クルニアシが申請書やパスポート 発給に必要な住民証明書(KTP)、出生証書(Akta Kelahiran)、家族証明書(Kartu Kelu- arga)などを提出した。本人は姿を見せない。発給審査プロセスにはインタビュー、そし て指紋採取と写真撮影があるのだから、本人が来なければ発給が不可能であることは判り 切っている。申請受付担当者に不審の念が湧くのは当たり前だ。 受付担当者は書類をチェックした。書類は偽造でなさそうだが、これは明らかに異様なふ るまいだ。受付担当者は申請書類を次のステップに回し、自分の印象を耳打ちすることを 忘れなかった。 インタビュー室にコマン氏が呼ばれた。インタビュー担当官は入って来たコマン氏を一瞥 して、受付担当者の思惑が当たっていたことを覚った。名前はバリ人になっているが、本 人からはバリ人特有の雰囲気が感じられない。 担当官が問いかけても、コマン氏はあまり返事をしない。「なぜ答えないのか?」と詰問 されて、かれは「交通事故で頭を打ったから耳がよく聞こえないのだ。」と返答した。他 の質問に対しても、ポツリポツリと発する言葉があまりインドネシア人らしくない。担当 官の心証はクロ一色になる。 本音を吐かせようとしてあの手この手が使われ、インドネシア語を紙に書かかせることま でした。そして、インドネシア人になりすましてインドネシア旅券を得ようとしたこの男、 ナイジェリア国籍のチャールズ・ジョージ・アルバート35歳は成功の見込みがゼロにな ったことを悟って真実を述べた。 チャールズの行為はイミグレ法違反であり、刑事罰が適用される。イミグレ捜査官が捜査 を開始して、本人が隠していたナイジェリア国籍パスポートを発見した。2015年1月 8日に発行されたチャールズ名義のナイジェリア旅券は有効期限が2020年1月7日ま である。なのにどうしてインドネシアのパスポートを欲しがるのか?[ 続く ]