「バリ島シガラジャでイミグレ法違反(2)」(2018年09月06日)

そのパスポートによれば、チャールズはグラライ空港で2017年7月に訪問ビザ入国し、
グラライのイミグレーション事務所で一度延長がなされてからそのままになっていた。1
7年9月に期限が切れて以来の長期に渡るオーバーステイだ。チャールズはその間、ウブ
ッで暮らしていたと供述している。そして妻と名乗った女性ドゥサッ・プトゥ・リカ・ク
ルニアシもギアニャル県ウブッの居住者であったことから、バリ女に抱かれてのオーバー
ステイは間違いないようだったが、その間何をして生計を立てていたのかはまだわからな
い。

シガラジャイミグレ事務所はチャールズとドゥサッを即時拘留せず、裁判にかけることに
して一旦帰宅させた。捜査が完了して検察局に渡され、起訴状が作られると、チャールズ
とドゥサッはシガラジャ地裁に対して18年7月27日に予審請求を行ったが、地裁は8
月3日にその請求を却下した。予審請求が受付てもらえなかったことを知ったふたりは、
そのままシガラジャから姿を消した。ふたりの名前と顔写真は警察のお尋ね者リスト(D
PO)に載った。

イミグレーションと警察はふたりのバリ島からの脱出に備えて、ギリマヌッ港・パダンバ
イ港・グラライ空港などの要所に捜査員を置くと共に、居所を探る捜査活動を続けた結果、
ふたりはデンパサル市サヌールに潜伏していることが判明し、18年8月15日午前3時
にサヌールの宿泊施設を襲ってふたりを逮捕した。


まったく見も知らぬナイジェリア人に自分の名前を使われたホンモノのコマン・エリ・ア
グス・ハルトノ氏はなりすましパスポート申請犯罪の記事を読んで驚いたが、そこにウブ
ッ住人ドゥサッ・プトゥ・リカ・クルニアシが絡んでいるのを知って腑に落ちた。シガラ
ジャの町に住んで自動車セールスをしているかれは、知人のドゥサッにしつこくせがまれ
て、自分の出生証書や家族証明書を貸していたのである。ドゥサッがそれを何に使うのか
は最後までわからないままだったから、コマン氏が犯罪記事で仰天したのも無理はない。
[ 続く ]