「アパート居住に関する行政規則」(2018年09月06日)

アパートメント運営者と住民間の係争が絶えず、法規の不在がその主因であると判断した
都庁は、積層集合住宅運営者団体とアパート住民自治会組織に対して都知事回状第16/SE
/2018号を出した。

アパート住民自治会組織の編成と運営は規則で義務付けられており、都庁は165の自治
会を認定しているが、積層集合住宅の総数は2百を超えていて、住民は数万人に達してい
ると都庁は見込んでいる。


原則的にアパート住民に対する居住規定は住民自治会組織と運営者間のムシャワラで家族
的に形成されるものという観念が優先しているため、行政はこれまであまりその中に深く
関与しないできた。しかし力関係の面から、住民が忍耐を強制される状況も決して少ない
ものでない。

2018年の7カ月間にアパート自治会組織が都庁に提出した苦情の中に、運営者の専横
・横暴を訴えるものは120件あった。その中で目立ったものは、アパートの公共ファシ
リティ維持運営のために毎月納めるサービスチャージの滞納を理由に、電気と上水の配給
が停止されるという現象だ。

戸建て住宅と電力会社や水道会社との関係では、受給者が支払いを滞納すれば配給会社は
給電給水を停止できることが法規に謳われている。ところが、電力会社や水道会社はアパ
ート住民と直接の供給契約を結んでおらず、それをアパート運営者が仲介している構図に
なっている。アパート運営者は単に電力会社・水道会社のやり方をまねているだけなのだ
ろうが、アパート運営者が住民に対してそのまねをすることは法規の裏付けがないどころ
か、生活権問題に抵触する可能性がある。

都庁はこの機会に、住民と運営者間の権利と義務をより明確にするべく、居住規定のより
どころとしての規則の作成に乗り出した。将来的にこの問題に関する都知事規則が施行さ
れることになっており、国民住宅住宅地区局はその内容作成に取り掛かっている。

国民住宅住宅地区局長はアパートのサービスチャージについて、サービスチャージは両者
間で了承されるような、内容のもっと明確なものに変えられなければならず、電気料金水
道料金をサービスチャージに一括で含めることは妥当でない、と発言した。

都知事回状は法的強制力を持たないため、法執行面から都知事規則が不可欠なことは明ら
かだ。当面は善意のアパート運営者から行政の意向に即した変更がなされていくことにな
るだろう。


住民自治会と運営者間のコンフリクトはさまざまにあり、かつては駐車場利用料金問題で
コンフリクトを起こした住民が運営者に告訴され、入獄させられているケースも存在して
いる。少なくとも一次的なフェーズでよりどころが存在することは、大きい前進と見なさ
れるべきだろう。