「プレセタン(3)」(2018年09月14日)

その結果として盛んになったのが頭字語や略語で、しかも句を構成する各語の中身を発音
しやすい形に抽出する技術が進んだことから、新語の出現の間口が大きく広がった。そこ
にユーモアの山から降りて来た諧謔精神がプレセタンの粉を塗り散らしはじめたから、新
語生成は嫌が上にも盛んになっていった。

活字にせよ、電子にせよ、諸メディアに登場するプレセタンは、語形上のもの、語義上の
もの、音韻上のもの、音素上のもの、文字やグラフィック、語句や文節、パラグラフ、表
現、観念、セマンティック、論議などさまざまなものに及び、言語面ばかりか、諸学問分
野からも興味深いテーマと見られている。

若者、中でも大学生が政府の諸政策に対する不満をプレセタンで表明する傾向は既に一般
的になっていて、たとえばBahan Bakar Minyak(石油燃料)のアクロニムであるBBMは
補助金削減方針が値上げをもたらす結果になったために国民的関心事となった。そのせい
でBBMのプレセタンは巷にあふれかえった。
Benar Benar Mahal
Bagi Bagi Masalah
Bagi Bagi Maaf
Bau Belum Mandi
Baru Bisa Mimpi
Republik BBM = Republik Benar Benar Mabok


論者によれば、音韻上のプレセタンには単語や句の音素を変えるものがあり、たとえば
jorok sekali をjorse、oke をeko というように変化させる。

グラフィックなものとしては、たとえばdekil dan kemal をDNKと表記したり、MBA
と書いて Marriage By Accident や Makin Botak Aje と読ませる。

語形的なものには、句を頭字語や略語に抽出する方法が使われる。たとえば:
ABCD はABRI bukan cepak doang
sepadan は selamat pagi Medan
manja はmenanti senja あるいはmandi jarang
lobak はlagu-lagu Batak
selada はselalu lagu daerah
といったもの。
[ 続く ]