「ウィスダは大学卒業式のことか?」(2018年09月14日)

2018年6月11日付けコンパス紙への投書"Wisuda TK, SD, SMP, SMA"から
拝啓、編集部殿。最近多くの幼稚園・小学校・中学校・高校の卒業式が大学のような真似
をしてどんどん派手になっており、出費も大きくなっています。

費用がかかるということだけでなく、それらの学習段階における卒業というのは、幼稚園
あるいは少なくとも小学校からの公式教育を修了した上で最高学府での勉学を終え、学士
という学位を得たことに対する祝賀ほどの値打ちに匹敵しないという面もあるのです。

学士号を取得したことへの祝賀の具現形態である大学卒業式典(wisuda*)が学習段階下位
レベルの卒業式に複製されるようなことは、学士号の重みを劣化させることにしかなりま
せん。こんなことでは、若年層に悪影響がもたらされることが懸念されます。それは何か
と言うと、上級学校に進学するためのモチベーションが低下する可能性です。学士号に至
らなくとも、学士並みの祝賀をもう受けているわけですから。

この問題がわれわれの共通問題とされるように念願します。特に教育文化省は幼稚園・小
・中・高の卒業式に関する標準規範を早急に作成するよう希望します。
[ ブカシ市ジャティアシ在住、ヨスミナルディ ]

2018年6月22日付けコンパス紙への投書"Pelepasan Purnasiswa TK, SD, SMP, dan
 SMA"から
拝啓、編集部殿。ヨスミナルディさんからの6月11日付けコンパス紙に掲載された投書
を読んで、わたしは1982年にサナタダルマ師範学校ディプロマ1を取得したときの卒
業式のことを思い出しました。

そのときの卒業者はS-1, D-1, D-2, D-3に分かれており、S-1(学士号)の部については
wisuda、ディプロマの各レベルについてはpelepasanという呼称が使われていました。
幼稚園から高校までの卒業式はwisudaでないというヨスミナルディさんの意見に賛成し
ます。36年前にサナタダルマ師範学校で行われたようなあり方が教育文化省の幼稚園
から高校までの卒業式に関する規定作りの参考になるのではないでしょうか。

wisudaという言葉はS-1, S-2, S-3の卒業式にのみ使われるべきであり、そうすることで
それらの学位の社会的優越性が強まるでしょう。幼稚園から高校までの卒業式はpelepa-
san purnasiswa(卒業生送別式)という名称にすることでかれらの上級学校への進学意
欲は高められ、大学卒業式wisudaの名誉を目指すようになるでしょう。
[ ヨグヤカルタ特別州在住、ウィヤナ ]

*訳注:昔からインドネシアの大学卒業式典は独特の式進行が行われ、卒業生はトーガと
四角帽子を着用するなど、他にはないエクスクルーシブな体験を享受して社会的優越性を
確認する舞台になっていた。その式典がwisudaという名称で呼ばれることが慣習化してい
たが、近年は幼稚園から高校までwisudaという名称を用いて大学のような演出を行う所が
増加してきたことが、上の投書から分かる。
政府国語センターはwisudaを大学卒業式と関連付けておらず、厳粛な式典という定義にし
てあるため、旧来からの世間の慣習が否定される裏付けに使われ得る形になっている。