「海面下8mの海底火山でダイビング(前)」(2018年09月20日)

北スラウェシ州の北端で、フィリピンのミンダナオ島と本土のちょうど中間あたりに位置
しているサギヘ諸島県(Kabupaten Kepulauan Sangihe)には海底火山がある。

2010年時点のデータによれば、全国の海底火山は5カ所ある。
東ヌサトゥンガラ州レンバタ島海域のホバル火山 (Gunung Hobal)
バンダ海にあるエンペラーオブチャイナ火山 (Gunung Emperor Of China) とニューワヴ
ェルカー火山(Gunung Niuwewerker) 
サギヘ諸島県海域のマハングタン火山(Gunung Mahangetang)とカウィオバラッ火山
(Gunung Kawio Barat)

火山はふたつあるのだが、カウィオバラッ火山の山頂は海面からおよそ1千9百メート
ル下にある。一方、別名バヌアウフ(Banua Wuhu)とも呼ばれているマハングタン火山は
海面下6〜8メートルの深さしかなく、ダイバーの人気を集めている。

そのバヌアウフはマハングタン島から南西に3百メートルほど離れた位置にあり、サギヘ
諸島県首府のタフナからだと海路約1時間、スラウェシ島本土マナド市から直接向かえば
およそ5時間の行程だ。

火山を覆っているサンゴ礁からは火山が排出するガスの泡が海面めがけて湧き上がり、一
帯の海水温は37〜38℃という温かさで、とてもエキゾチックな美を堪能させてくれる。
ガスの泡は海水に接触して急速に冷やされるが、サンゴ礁の中にあるときはたいへんな高
温であるため、サンゴ礁に触ると火傷する危険がある。サンゴ礁に絶対触るなというガイ
ドの警告は、ここでは絶対服従しなければならないものになっている。

20メートルくらいまで潜ったときに目にするサンゴ礁の光景の美しさに、ダイバーたち
は完全にしびれるのだそうだ。インドネシア国内で海底の光景が美しい場所はあちこちに
あるものの、海底火山というおまけの付いたサンゴ礁の美しさは特別級であるにちがいな
い。[ 続く ]