「ミステリアス宅配便」(2018年09月21日)

ヨグヤカルタ市内で衣料品店を営むウルファさん宛てに18年9月12日、宅配小包が届
いた。ウルファさんは外出中だったので、店員のシティさんが応対した。

小包にはウルファさんの名前、店の住所、ウルファさんの電話番号までが正しく記載され
ている。配達人は、これは受取人現金払い(COD)なので、品代18万ルピアをその場
で支払うように求めた。小包には内容物がwristwatchと表記されている。
発送人はTang Liとなっており、住所は中国のWarehouse Zibian, Road Xiamao The West, 
District Baiyun, Guangzhou, Guangdong (記事通りに表記)と記されている。

シティさんがウルファさんに指示を仰ぐと、「そんなものを注文した覚えはないから、断
りなさい。」という返事だった。すると配達人は、受取拒否の場合は名宛人のKTPのフ
ォトコピーかKTPの写真が必要だと言ったが、ウルファさんはそれをも拒否した。


ヨグヤカルタ州バントゥル県に住むスナルヨさんにも、18年9月18日にミステリアス
小包に関する連絡が届いた。宅配便配達人と名乗る者からかれのワッツアップアカウント
に、小包が来ているのでいつ配達すればいいのかを問い合わせてきたのだ。

「家にはいつも人がいるから、渡しておいてくれたらいいじゃないか。」と返事すると、
いやこれはCODだから、金を払ってもらわなければいけない、と配達人が言う。小包の
中身は靴で、金額は70万ルピアになっていた。
「そんなものを注文した覚えはないなあ。キャンセルしてくれ。」と返事すると、コンタ
クトは途絶えた。発送者はウルファさん宛ての小包とまったく同一になっていた。

州警察の調べでは、似たような小包が既に数十人の住民宛に届いているようで、名宛人は
一様に自分が発注したものでないと語っている。その現象について、送りつけられてきた
品物の中にナルコバが隠されているに違いない、という書き込みがソスメドに流れたから、
ちょっとした騒ぎになっている。

実際に一時期、ナルコバシンジケートが宅配便を使って国内に密輸入する手口を使ってい
た。状況的には似ているものの、CODのようなことはなされなかった。受取拒否されか
ねない条件をシンジケートがつけるはずがない。

かつての手口はシンジケートと全く無関係の一般市民の住所と名前を使い、ナルコバの入
った品物を送りつけて来る。シンジケート員は小包が到着するころにその家を見張り、宅
配便の配達車がやってくるとその家の人間になりすまして小包を受け取り、姿を消すとい
うやり方だ。

警察は今回のCOD宅配小包について、更に情報を集めている。