「民衆の変遷(終)」(2018年09月27日)

オルデバルレジームがオルデラマに取って代わり、1972年の新綴字法の施行に従って
rakjatはrakyatに形を変えた。開発はrakyatが繁栄と豊かな福祉を享受するためのもので
あるというセリフが常に語られた。ところが民衆は権利を奪われ、政治面の諸権利を表明
するのが困難になり、デモクラシーを夢見るようになる。オルバ体制の支配者はrakyatを、
政府の政策に対する批判や反抗をさせることなく、強制的に服従させなければならない人
間集団と見なした。rakyatの歴史的な語義は支配者によって粉砕されたのである。

ウィジ・トゥクル(Wiji Thukul)氏は服従しなかった。1988年のかれの詩「草の根の歌」
は開発のうねりにもまれた不運な人間、つまりrakyat、の運命を物語るものだった。
Nyanyian Akar Rumput
.....
jalan raya dilebarkan
kami terusir
mendirikan kampung
digusur
kami pindah-pindah
menempel di tembok-tembok
dicabut
terbuang
kami rumput
butuh tanah
dengar!
ayo gabung ke kami
biar jadi mimpi buruk presiden!
.....

スハルト大統領が権力を後ろ盾にしてrakyatの語義をどんなものにしたかを示すその詩は、
われわれの大切な遺産だ。

いま、rakyatという言葉は国家上層部の発言のために論争のタネになっている。rakyatの
語義についての議論はもうごめんだ。われわれが望むのは、汚職撲滅の約束とお手本とさ
れるべき政治ビヘイビアの実現を実際に示してもらうことなのだ。[ 完 ]