「汚職はインドネシア文化」(2018年10月02日)

若年層にコルプシに対する容認傾向が強まっていることをインドネシアサーベイ機関の調
査が明らかにした。2018年8月1〜7日に1,520人から集められた回答によれば、
67%の回答者がコルプシを正当性のない行為であると見ている。

ただ、その存在について肯定するか否定するかは態度が分かれるところであり、25歳未
満の年齢層では28%が肯定的な見方を示した。26〜40歳は23%、41〜55歳は
22%、55歳超は24%で、若年層に現実肯定心理が広がっていることを示しているか
のようだ。もちろんそれを善として肯定しているわけでないのは明らかで、不可避悪とい
う見方がそれなのかもしれない。

コルプシは世の中に広がっているが、政府はその解決を真剣に取り組んでいないという回
答は若年層ほど高かった。25歳未満35%、26〜40歳27%、41〜55歳25%、
55歳超は15%だ。


インドネシアサーベイ機関専務理事はそれらの調査結果から、若年層は大きいコルプシ犯
罪よりも、小さい腐敗行為に対する容認意識を示しているのではないか、との分析を表明
した。
「KTP(住民証明書)やSIM(運転免許証)あるいSTNK(自動車番号証明書)手
続きにからめて不法徴集金が取られる中で、若者層の間にその金を渡すことで結果が早く
確実に実現するというプラグマチックな態度が強まっているのではないかと思われる。そ
れらの手続きではさまざまな管理プロセスが行われることになるが、若者たちはそれが長
すぎると感じており、それを早めるための方法という実際的なとらえ方が回答に反映され
ているようにわたしには思える。
政府がその撲滅を真剣に行わない以上、その状況をベースに踏まえて自分がメリットを得
るためにどうするか、というのが若者層の思考ではあるまいか。」

ガジャマダ大学アンティコルプシ研究センター理事は、コルプシを前にして若者たちが小
さい腐敗行為を容認し、それに自分を合わせて現実に合理性を持たせようとしているのだ
と説く。
「腐敗行為に誘われたとき、理性がそれを斟酌する。それが自分にメリットをもたらすの
なら、それを受け入れようとする傾向が生じる。腐敗行為に直面するケースが増加すれば
するほど、ひとがアンティコルプシから遠ざかる現象を起こさせている理由がそれだ。
コルプシ行為を発生させる駆動力は二種類ある。ニード(need)とグリード(greed)だ。貪
欲さを基盤に置くコルプシにひとびとは怒るが、必要性を満たすためのコルプシには当然
であるかのように理解を示す。
下っ端公務員が5千とか1万ルピアをせがむと、情緒の中に憐憫や同情が現れる。高官職
者が行う巨額のコルプシとはまるで異なる心理だ。ニードをベースに置くコルプシはわれ
われの中で、既に習慣に位置付けられている。」
理事はインドネシアで汚職が文化になっている部分をそのように説明した。