「交通違反監視カメラ(前)」(2018年10月08日) 2018年10月1日から都内タムリン〜スディルマン通りで、カメラを使った交通違反 遠隔監視方式トライアルが開始された。都庁交通局が使っているエアトラフィックコント ロールシステムを使って警察担当官が通行車両の違反行為を判定するというのが、その仕 組みの概略らしい。 トライアル期間は30日間で、期間中の対象はBナンバーの自家用車に限定されるそうだ。 違反行為は信号無視と道路標識に従わない行為がメインになる。現在のカメラの性能では、 安全ベルト無着用、二輪車ノーヘル運転、運転中のスマホ使用、逆走、奇数偶数プレート 制限などの違反までカバーしきれないため、時間をかけながらそのレベルにまで引き上げ たいと警察当局は述べている。 サリナ交差点とインドサット交差点に設置された4基のカメラは24時間稼働し、夜間は X線が使われる。カメラは信号機と連動し、赤信号になると毎回停止線の状況の静止画像 を自動的に送って来る。またカメラは違反行為の画像を前・中・後の10秒間に渡って記 録し、且つナンバープレートがはっきり分かる性能になっていて、時速3百キロで走行す る車両であっても番号を画面から読み取ることができる。 カメラが違反行為と思われるシーンを捉えたとしても、それを分析して違反かどうかを判 断するのは最終的に警察担当官になる。違反の判定が下ると、その車両のオーナーに対し、 違反行為の通知と状況説明が確認書として郵送される。オーナーとはSTNK(自動車番 号証明書)に記載されている所有者の住所氏名だ。 確認書の郵送には確認回答フォームが添付され、違反行為発生時の車両のステータス、運 転者のアイデンティティなどが警察に申告できるようになっている。 車両が既に売られていたのなら、購入者はどこのだれで、売買を証明する書類が要求され るし、盗まれたのであれば、いつどこで盗難にあったのかという内容が求められる。 確認回答には7日間の猶予が与えられ、首都警察交通局が用意しているwww.etle-pmj. infoのサイトを通して回答することもできる。ETLEとはElectronic Traffic Law Enforce- mentのアクロニムだ。 違反行為の罰金納付も7日間の猶予が与えられる。罰金が期限内に納められなければ、S TNKはブロックされる。ブロックされれば毎年の自動車税納税ができなくなり、滞納が 積み重ねられ、それが発覚した時にたいへんなことになる。 このシステムでは、罰金納付者がだれであっても受け付けられる。要は罰金が納められた かどうかだけが問題であって、それをだれが納めたのかは問われない。だから車のオーナ ーがそれをレンタルに出していたのであれば、オーナーが先に納付しておけば車両は安全 だ、と警察はアドバイスしている。[ 続く ]