「スロボヨアン(前)」(2018年10月09日) ライター: 作家、ベニー・スティア ソース: 2012年11月9日付けコンパス紙 "Teks Suroboyoan" 2012年9月7日付けレイニ・フタバラッ氏のKoaya Roayaと題するノートはふたつの 言語現象をクリヤーになぞっている。ひとつは挿入辞uが語の第一音節に置かれて、元の 語の意味よりも質量共に高いレベルを表すもの。 わたしの知識では、その方式はジャワ語の一方言であるスラバヤ口語の昔からのやり方に 倣ったものだ。enakという単語の語義を高揚させるのに、uという小辞を第一音節eの前 に置くテクニックがそれであり、第二音節はそのまま。その結果、表記はuenakとなる。 口語表現に合わせてuee-nakと書かれることもしばしばだが。 uを第一音節の母音の前に挿入すれば、ba-nyakはbua-nyakとなり、can-tikはcuan-tik、 kayaはkuayaとなる。luar (biasa)はluu-ar (biasa)となるべきものである。 上の説明はレイニ・フタバラット氏がふたつの誤りを犯していることを示している。 (a) 挿入辞oは語義を高揚させない。uが標準である。 (b) 語の表記はインドネシア語綴りが参照されており、ジャワ語でない。 ヨグヤカルタ言語館が2011年に出した「ラテン文字によるジャワ語表記の一般指標− 改訂版」によれば、広母音で終わる音節でaと書かれているものはoと発音されなければな らない。tresnaの発音はtresnoなのである。接尾辞が付けばkatresnanとなってkatresnoan にはならない。そのため、ka-yaはko-yoとなり、そこに小辞uが添えられた場合は音表記 がkuaya ruayaと書かれていてもkuoyo ruoyoと発音されるのであって、kooyo rooyoにな らない。 もうひとつは、書かれたテキストにおける因果関係でなくて、発音表記にもとづく口語形 式の用法パターンにおける語義の高揚現象をレイニ氏はとらえている。mak-nyusは小辞 uが挿入されても、単にmuak-nyusとなるだけだ。 あるいはtopの語義をもっと高めるためにtop markotopと繰り返すのは、マドゥラ人の言 葉を際立たせるための習慣に倣うもので、語の最終音節だけを取り出して単語の前に置く やり方がそれだ。hi-tamを際立たせるためにtam hitamと言う。topに付けられたmarkoと いうのは、いったいどこから持ってきたものなのか?[ 続く ]