「クアラナム空港はナルコバのハブ」(2018年10月19日)

北スマトラ州メダンのクアラナム空港は、マレーシアや中国から入って来るナルコバの到
着ゲートであり、更に国内諸地方に分配される送り出しゲートでもある。

2018年10月14日午前5時20分、クアラナム空港国内線出発待合室でバンジャル
マシン行きフライトの搭乗を待っていたふたりの女性が警察に逮捕された。

事件は前日、市民から警察への通報があったことから始まる。ふたりの女性運び屋がバン
ジャルマシン行きの飛行機に乗るという情報だ。ふたりはアチェ州ビルエンの住民で、名
前はノラワティ(22歳)とエルナワティ(33歳)と言う。警察はチェックインからふ
たりをマークした。運び屋は普通、ナルコバをトランクに入れて預けたりせず、自分の身
の回りに隠して行動する。

ところが、ふたりはメタルデテクターを問題なく通過し、手持ちバッグもX線チェックを
パスした。こうなっては仕方ない。ふたりを身体検査?することになる。

待合室から警察と空港警備員がふたりを連行して身体検査を行ったが、ナルコバは見つか
らない。そのとき、二人が履いているハイヒールサンダルが警察員の目を引いた。サンダ
ルを脱がせて調べたところ、案の定254グラムと252グラムのシャブが中に隠されて
いた。

警察の取調べに対してそのふたりの主婦は、アバンと名乗る男に依頼されたことを自供し
た。男から電話がかかって来て、ひとり6百万ルピアの報酬で航空券も用意してもらえる
という話にふたりは乗った。ブツの受け渡しはメダン〜バンダアチェ街道の道路脇で行わ
れ、フルフェースのヘルメットをかぶったアバンがふたりにサンダルを渡した。

連絡は常に電話で、ブツの受け渡しに一度だけ会ったアバンの顔も隠されていたために、
警察はふたりから何の手掛かりも得ることができなかった。

クアラナム空港は国内各地へのナルコバ流通網のハブのひとつになっているため、空港管
理者は警察の協力を得て、乗客に対する検査体制を強化している。