「赤児売買事件(1)」(2018年10月22日) 大スラバヤ市警察本部バ−チャルパトロールがソスメドの中で密かに行われている赤児売 買行為を暴いた。インスタグラムを使って行われていたこの法律違反行為は家庭福祉振興 機関の外見を持たせたサイトの一隅で行われていたもので、その摘発は市民の通報が発端 となり、捜査はサイト管理者の取調べに至ってから売買実行者と仲介者が逮捕された。 そこで扱われた最新の赤児売買は2018年9月3日に行われたものだが、類似の行為は 過去一年間に4回行なわれたことをそのサイトオーナーAは供述している。 9月3日のケースでは、赤児を新たに産んだ生活苦の母親L22歳がソスメド上でAに相 談を持ち掛け、29歳のサイトオーナーAは赤児を養子に出すように勧めたとのことだ。 Lが承諾するとAは子供が欲しいひとを探し、赤児の母親Lに1千5百万ルピア、現場で の仲介者K66歳に5百万ルピア、サイト管理者に250万ルピアを渡すことを条件にし てその取引を取り持った。 Lの自供によれば、Lはシリ婚をした夫がいて、その間に子供がふたりできており、夫は ときどき金を送って来るが母子三人の生活はとても成り立たない金額でしかなく、必然的 に借金を重ねてきたところにまたひとり出来てしまい、その子はとても養えないため親戚 に預けて養育を依頼していた由。 シリ婚というのはイスラム教徒がふたりだけで神の前で結婚を誓う方法で夫婦になる方式 であり、もちろん法的な届出は行われず、従って公的婚姻証書は作られない。つまり法的 に認められた夫婦ではないということだ。普通は事後にその婚姻を親族にだけは認めても らうケースが多いものの、場合によっては親族にすら夫婦関係を隠すことすらある。別の 文化では単なる同棲と見なされるだけのことがらだが、神を絶対視するイスラムならでは の慣習だろう。 Lについては、多分三人目の子供を預けられた親戚も手を揚げたということのように思わ れる。ソスメド上でAに相談を持ち掛け、人生の荷物が減り、借金を多少なりとも返済で きる金が手に入る一石二鳥のソルーションに22歳のLはこうして乗ったに違いない。赤 児の購入者はバリ在住のN36歳だった。[ 続く ]