「雨季が後ろ倒し」(2018年10月29日) 太平洋の海水温が中央域で0.75℃ほど周辺部より高めになっている。これはエルニー ニョ現象が進行中であることを意味しており、国内の諸地方で雨季の進行が10〜40日 後ろ倒しになることを予想させるものだ。 今回のエルニーニョは12月ごろまでに中級の強さのものに発達し、その状態が19年3 月まで継続すると見られている。ジャワ〜バリ〜東西ヌサトゥンガラがその影響を強く受 け、スマトラは概してあまり影響を受けない。全体的に言うなら、今回は雨季の真っただ 中に起るエルニーニョ現象であるため、それは雨季が弱まる方向に作用するだけになり、 乾季に起こる激しい干ばつをもたらすようなことは避けられる。つまり地域によって雨量 が低下したり、あるいは雨が降りにくくなるという現象になって現れる。 地学気候気象庁は最長で40日間雨季が後ろ倒しになる地域を、バリ島東部、ロンボッ島 東部、スンバ島、スマトラ島南部、西ジャワ南岸部、中部ジャワ北岸部、南カリマンタン、 中部カリマンタン南部と見込んでいる。 「ジャワ島の150季節ゾーンのうち95は11月中旬から下旬にかけて雨季が到来する。 平年では10月に雨季が始まる地区だ。 10月下旬の今、全国342季節ゾーンのうち8.2%が雨季に入った。スマトラ22、 カリマンタン4、パプア2がその内訳だ。今月末までには、ハルマヘラ・中部南部カリマ ンタン・南スマトラ〜ランプン・バンテン〜西ジャワ〜中部ジャワ・東ジャワ東部などで 雨季の始まる季節ゾーンが出てくる。他はまだ乾季の気象状況にある。」地学気候気象庁 気候担当デピュティはそう解説している。 以前、エルニーニョ現象は3〜7年のサイクルにあったが、近年は2〜5年に短縮されて きており、気候変動を象徴する現象のひとつになっているとのことだ。 全般的な傾向はそのようになっているものの、局地的な変化はその限りでない。インド洋 に面するスマトラ島西岸地方は11月に、例年を超える雨量に達することが懸念されてい る。その状況は12月にも継続し、さらに12月にはスラウェシ島の大部分、西ジャワ・ 東ジャワ北岸部・マドゥラ島、西パプアの一部でも平年を超える豪雨になる可能性が見込 まれている。一方、カリマンタン島西部は降雨が平年より少なくなりそう。その他の地方 は平年並みの降雨量との予報になっている。