「ジャカルタの韓国人街」(2018年11月01日)

クバヨランバルにリトルコリアがある。クバヨランバルの玄関にあたる青年の像ロータリ
ーに東から突き当たって来るのがスノパティ通りで、この道の根元の方が途中からスルヨ
通りになっていて、それがテンデアン通りとモギンシディ通りとの合流点で三叉路を成す
わけだが、そのスルヨ通りの北東側を並行して走っているスナヤン通りがリトルコリアで
ある。

この通りを通れば飲食店・商店・美容院等々が掲げているハングル文字が至る所から迫っ
て来て、チャイナタウンならぬコリアタウンを実感させてくれる。韓国レストランはジャ
カルタのあちこちにあるが、老舗はここなのだそうだ。レストランはマポ、カンナム、プ
ンバ、88、ジャン、などという屋号が並ぶ。韓国系エスニックスーパーの老舗ムグンフ
ワも健在だ。Mu-Gung-Hwaは無窮花と書かれるらしい。1980年代にスタートしたこ
の店は最初日本食品をも扱っていたので、日本人にもなじみの深い店だった。

話によれば、店主は最初木材関係のビジネスマンだったそうで、そのうちにキムチを作っ
て在住韓国人の需要を満たすようになり、それが発展して無窮花になったとのことだ。長
い歳月の間にはさまざまなことがあったにちがいない。リトルコリアの商店主たちのほと
んどは韓国系のひとびとだそうだ。


88コリアンキッチンは韓国風アヤムゴレンプダスを出してくれる。8〜10切れで17
〜18万ルピア。これに冷えたビールかソジュでキューとやるのが韓国風の醍醐味らしい。
そのプダス味はハチミツとコチジャンだそうで、客はお好みの辛さを選択できる。レフィ
ル可の韓国茶はコリアンホスピタリティのお手本だろう。

この一画にブティックソマンという土産物店がある。インドネシア産の土産物を韓国人旅
行者に販売するというのを主眼にしたビジネスだが、決して客を選り好みしているわけで
ないから、インドネシアは元より何人であっても客は歓迎してくれる。

人気商品はインドネシアで採れるムンクドゥ別名ノニの乾燥果実だそうだ。韓国で買うと
高いから、みんなインドネシアで買って帰る。他にもバティック布や真珠装身具、コーヒ
ーなどさまざま。

オーナーのクウォン夫人はインドネシア在住20年で、ここでの生活を愉しんでいるよう
だ。

韓国麺のファンなら「ヌードルの伝説」へ。チャジャンミュン、ヘミュルチャンポン、ヘ
ミュルスジェビ、ネンミュンなどの本場ものメニューが用意され、ニ三人がたっぷり腹の
膨らむ大椀で供されて値段は5万から10万ルピアの間。
ジャカルタの味道楽にリトルコリアは欠かせない。