「性的不満が増加」(2018年11月05日) インドネシアではモダンタイプの避妊方式を採るひとが減少し、トラディショナルタイプ を選ぶひとが増加を示している。その一方で、妊娠の比率も低下傾向を見せている。妊娠 適齢期カップルが性行為の頻度を減らしているためだという推測は当たっているのだろう か? 国家家族計画住民管理庁デピュティはそれに関して、避妊対策の普及と初婚年齢の上昇が 最大の理由である、と説明する。副次的な理由に性交頻度の低下と不妊障害者の増加が考 えられるとのこと。 2017年全国デモグラフィ保健サーベイ結果によれば、ピル・注射・インプラント・手 術・皮下インプラント・コンドーム・LAMなどのモダンタイプ避妊方式を使っているひ とは57.9%から57.2%に低下した。一方、カレンダー式や外出しなど伝統型避妊 を行っているひとは4%から6.4%に大幅アップしている。 しかし伝統型避妊方式は避妊に対する効果が薄い。ところがこの方式は都市部住民に広が っており、その実践者は高学歴で仕事を持っているひとたちがメインを占めている。そし て実際に妊娠比率は都市部で低下しているのである。その結果、合計特殊出生率は過去1 5年間子供2.6人が継続していたが、2017年にはついに2.4人に低下した。 インドネシアの不妊障害は比較的高率で、全妊娠適齢期カップルの10〜15%に該当し ている。その状況は10〜15年前から継続しているとのことだ。 バリ島ウダヤナ大学医学部長は臨床活動から得た感触として、都市部住民の性交頻度が減 っている印象はない、と述べている。ただカップルの間でセックスに対する不満足を表明 するコメントは増加していることから、それが性交頻度を低下させる傾向を生んでいる可 能性は考えられる、と医学部長は語っている。