「青少年の危険な行動」(2018年11月09日)

2017年全国デモグラフィ保健サーベイで、合計特殊出生率は2.6から2.4に低下
した。その数値は15〜49歳の妊娠適齢期女性が持っている平均子供数を示すものだ。
村落部は都市部の二倍近い数字であり、学歴と経済レベルが下がるほど数字は大きい。一
方、持ちたい子供の全国平均数は男性2.9人、女性2.7人になっている。

出生率低下に大きく貢献した要因として、15〜19歳女性の出産率が低下したことがあ
げられる。2017年調査で1千人当たり出産者数48人だったものが、今回のサーベイ
では36人に減った。初婚年齢の上昇・初出産を遅らせる傾向・避妊対策の浸透・女性の
学業や就業の普及などがその原因と見られている。

しかしそれだけで、手放しで喜んでいるわけにもいかない。青少年男女の日常活動の中に、
将来のデモグラフィと保健、つまり国の生産性に影響をもたらす可能性のある問題が見え
隠れしているのだ。保健省保健R&D庁社会保健振興R&Dセンター研究員は、重要な問
題が三つある、と語る。タバコ・アルコール・禁制薬物の使用、HIVエイズの知識不足、
男女交際と婚前セックスがそれだ。

15〜24歳男性のふたりにひとりが喫煙者であり、男女喫煙者の半分以上が15歳未満
でタバコを吸い始めている。男性の三人にひとりが飲酒者で、たいていは18歳で飲酒を
始めているが、飲酒を覚えたのが14歳未満という者もいる。禁制薬物については、男性
の20人にひとり、女性は100人にひとりが使用者であり、注射器を使う場合も稀でな
い。それがHIVエイズ感染源のひとつになっている。

男女交際と性行動については、男性の7.8%、女性の1.5%が婚前セックスを行って
いる。教育レベルと経済レベルが低いほど、その傾向が高い。そして伝染性性病の罹患と
望まれない妊娠の比率も高まる。

婚前セックス経験者の初体験年齢は次のようになっている。
10〜14歳 男性6% 女性6%
15〜19歳 男性74% 女性59%
20〜24歳 男性12% 女性22%

婚前セックスは愛し合っているからというのが最大の理由だが、男性の34%は欲望に誘
われるがままに、女性の16%は無理強いされたため、と答えている。

ところが男女ともに6割は伝染性性病の知識を持っておらず、またHIVエイズに関する
知識も断片的でしかない。

伝染性性病に関する知識分布は次のようになっている。
まったく無知 男性61.2% 女性64.6%

女性性病について
複数の症状を知っている 男性7.7% 女性16.7%
ひとつだけ知っている 男性8.1% 女性9.0%
よく知らない 男性22.9% 女性9.7%

男性性病について
複数の症状を知っている 男性17.6% 女性14.9%
ひとつだけ知っている 男性13.9% 女性9.2%
よく知らない 男性7.3% 女性11.3%