「児童への性暴力は過激傾向」(2018年12月07日) 2017年に児童保護国家コミッションに届けの出された件数は2,373件で、201 8年は10月までで2,726件に達した。58%が性犯罪行為で占められている。 アリス・ムルデカ・シライッ長官は最近の傾向について、過去二年間の子供への集団性暴 力の増加は不安をあおるものになっており、大人だけでなく子供を交えた集団が二歳に満 たない幼児をレープするようなことまで起こっている、と過激化への懸念を表明した。 「インドネシアの児童保護は緊急事態に直面している。性暴力は生活環境内にいる近しい 人間が起こしており、しかも複数で行っている。そのような現象は国内秩序が混乱した国 で起こるのが普通だ。インドネシアはそんな状態に陥っていない。家庭という最小生活単 位にモラル崩壊が起こっている証拠と見ることができる。」 児童への性暴力の立証は証拠・証人と犯人から児童への威嚇が必要条件になっているが、 犯人が近しいという人間関係のために事件が闇から闇にという傾向を帯びがちだ。社会は ファミリー制度の内容を整理しなおして、児童が家庭と生活環境の中で十分な保護を得ら れる形態に変えて行かなければならない、と長官は述べている。 その一方で、インターネットの普及とネガティブコンテンツの悪影響が現状を煽っている ことも疑いない。国民のリテラシーレベルが低いことの意味は容易に想像がつく。女性活 性化児童保護大臣は子供への性暴力がポルノサイトに強く影響されていることを指摘して いる。 インドネシアはポルノグラフィに曝されている上位50カ国のひとつだ。政府は既に3万 近いポルノサイトを閉鎖させてきたが、いくら閉鎖させても実効性が感じられないことは、 これまでの歴史が証明している。