「カキリマ(3)」(2018年12月27日)

マンガドゥア通りのとあるルコの表でエスクラパ(es kelapa)を商っているPKLのひと
りは、月収は700万から1千万ルピアの間だと言う。プアサ月はそれどころでない。

1千5百万だった年もあれば、4千万になった年もある。エスクラパは一杯5千ルピアで、
毎日3百杯以上売れ、売り切れになって帰途に着く。毎日必ず売り切れるそうだ。これは
多分商売繁盛の一例なのだろうが、PKLの成り手が引きも切らず現れる原因のひとつを
成していることは疑いあるまい。そして地回りやくざがかれらからショバ代をひとり2百
万ルピアも搾り取れる実態を下支えしているのである。


カキリマ商人がそれほど稼げるのは、それが国民的食習慣のひとつのリンクになっている
からだ。コンパス紙R&Dが2018年9月22〜23日にジャボデタベッに住む17歳
以上の回答者455人に対して行った調査では、カキリマ屋台の食事を味わったことがあ
るひとが85%にのぼった。カキリマ屋台の食事を知らないひとは15%ということだ。
経験者のうちの42%は週一回から毎日という頻度で利用している。

カキリマ屋台の食事を利用する理由として、26.6%が価格が高くないことを挙げた。
飯とおかずと汁物の一式が2万ルピア以下で食べられる。食堂だと、2万ルピアでは廉い
一品ものしか食べられない。

実用的と理由を答えたひとは23.7%いた。オフィス勤めのサラリーマンは会社の周辺
に必ずカキリマ屋台があり、複数の屋台が異なるメニューを作っているから、昼食時間に
どこかへ出かける必要がなく、しかもバリエーションがあって飽きないため、実用的であ
ることは確かだ。主婦にとっても、毎日の料理にそれを加えることで仕事が楽になり、ま
たメニューのバリエーションを増やすことも可能だ。

15%のひとは、カキリマ屋台の味は決してレストランに劣るものでない、と答えている。

実用的と言えば、確かに首都圏のどこへ行こうが、食べ物屋台をどこにでも見出すことが
できる。しかもメニューはきわめて豊富だ。bubur ayam, pecel lele/ayam, soto, ketoprak, 
sate, あるいは地方料理すら食べることもできる。sate padang, gudeg, nasi urap・・・・
[ 続く ]