「宗教ベースの地方条例(後)」(2018年12月28日)

だから宗教ベース地方条例の動静については、はっきりした定義と区分を使って再検討さ
れる必要がある。より明確な概念・類型化・区分分類が関係者、特に内務省、の政策・反
応・ステップの分析を可能にするだろう。

売春・賭博・飲酒などの不道徳抑止条例が往々にしてシャリア条例と呼ばれているが、こ
の種の条例はあらゆる宗教とその信徒、あるいは民間社会組織や政府の希求する公共秩序
維持により強く関わっているものだ。


シャリアベースの地方条例というのは基本的に次のようなことがらにより深く関わってい
るものである。
すなわち、国立学校や役所など国有施設でイスラム者としての服装を定めるようなもの、
あるいは政府機関内における昇格にアルクルアン読誦能力を関与させるといったものも含
まれる。

他にも、シャリアベース条例かどうかを議論するべきものはまだまだある。それらの条例
は喜捨運営に関する2011年法律第23号の下位法規としてザカーッ・インファッ・ス
ドゥカなどの寄付や拠金を集めることに関連するものだったり、国民教育システムに関す
る2003年法律第20号や高等教育に関する2012年法律第12号の下位法規に該当
するものなどだ。


一方で不道徳抑止条例、もう一方ではイスラム者の服装やアルクルアン読誦能力を定めた
条例などは、イスラム者同士の間のみならず、非イスラム教信徒との間に差別を生む。

まず不道徳抑止条例は女性が不道徳の源泉であるというバイアスと先入観を含んでいる。
一方、イスラム者の服装を定めた条例は、教義を理由にするものを含む特定ムスリム層で
その服装をしない一部イスラム者を差別し、あるいはその反対に、周囲の圧力によって非
イスラム者にその服装をするよう無理強いすることになる。特にジルバブのように。

宗教法は慣習法および植民地時代の遺産法規と共に、国家法規の源泉をなしている。しか
しその国家法規としての受容は国会の法制機能を経由しなければならない。国家法規の本
質と精神に反する地方条例の制定と施行は承認できないものである。

そのため政府、この場合は内務省と法務人権省、は宗教ベースの地方条例を総点検しなけ
ればならない。内務省はすでに、経済と投資に障害をもたらすものを主体に3,143件
の地方条例を改定あるいは失効させてきた。宗教ベースの地方条例が国民の分裂を促すも
のであることを思えば、内務省はその種の地方条例をも検討し、改訂や失効の措置を執ら
なければならないものである。[ 完 ]