「クラカタウはスンダ海峡のエピセントラム」(2019年01月07日)

スンダ海峡で18年12月22日に津波を引き起こしたアナクラカタウの山体の崩壊以後
も、火山性爆発は何度も発生しており、山容は大きい変化を示している。

12月24日から27日までの間にアナクラカタウは何回も噴火を重ねた結果、1950
年に形成されて以来、海抜338メートルにまで高さを増していた山頂は吹き飛ばされ、
あるいは崩れ落ちるなどして、現在は海抜110メートルの高さまで下がってしまった、
と技術研究応用庁は衛星写真の画像を集めて分析した結果を報告した。

崩壊した山稜は40万平米と発表されているものの、容量がどれほどだったのかは述べら
れていない。その結果と思われる現象も観測されていて、アナクラカタウの南側海底が以
前よりも20〜40メートル高くなっているそうだ。


22日の津波については、火山活動による山体の崩壊で海中に落ちた大量の物質が発生さ
せたものとの結論が今は共通理解になっているのだが、あのときメディアが津波発生の被
害状況を克明に報道している一方で、地学気候気象庁は沈黙を続けていた。

気象庁の定理では、津波を地震との因果関係で把握する方式が確立されて用いられてきた
ことから、地震の発生がなかったアナクラカタウの津波に対して即時的判断が下せず、被
害がはっきりしたあと、海水位の状況などの参照データを集めてからやっと津波判断が下
されたということだったようだ。

火山活動が津波を発生させるメカニズムの中には、海底での噴火、海面上の山体からの噴
火、海中もしくは海面上から海中への地滑りや崩落、そして海底もしくは火山地底での地
震など、実にさまざまなファクターが関わっている。

おまけにスンダ海峡での津波発生要因はアナクラカタウ火山だけでなく、プレート沈み込
み帯のメガスラストゾーンも大地震発生の候補者になっており、何が原因で津波が起こる
か分からないという、不気味なエリアになっているのである。

スンダ海峡のメガスラストゾーンではM9クラスの地震発生の可能性が予測されており、
1903年にはM8.1の地震が起こっている。関係諸機関は種々の試算を行っていて、
その中にはバンテン州パンデグラン県海岸のある場所で、高さ57メートルの津波襲来と
いうのが最悪のシナリオとして登場している。