「もうすぐ底をつく石油生産」(2019年01月09日)

現状のまま推移すれば、インドネシアの産油量は2030年にゼロになる。現在の国内石
油消費量は一日当たり165万バレルで、現在の生産量は一日80万バレル前後になって
いるため、70万バレル超を輸入に頼っている。33億バレルの埋蔵量が増加せず、石油
依存状況が変化しなければ、十数年で底をつくという計算だ。

輸入は当然、国際相場に影響され、通貨レート如何で国内物価とのバランスがどうにでも
変わってくるから、そんなリスクを抱えながら輸入に頼ろうとする政府などあるはずもな
いのだが、言うは易くの話になってしまう。

かつては石油輸出大国だったインドネシアは2004年以来、ネット輸入国に転落してし
まった。1977年は産油量が一日当たり165万バレルで、世界産油国番付の11位に
までのし上がったというのに。1981年には石油輸出売上高が113.1億米ドルに上
り、1970年から90年までの二十年間、石油収入は国庫収入の62.9%を占めた。
スハルト大統領の経済開発政策を支えたのが石油であり、石油というコモディティの周辺
が不健全な幔幕で覆われ、石油を取り扱う独占国有事業体が社長の名を冠した王国と呼ば
れた時代がその黄金期だったということだ。

国庫の要を握っている石油ガス産品がmigas (minyak dan gas bumi)と呼ばれ、それ以外
の輸出産品を非石油ガス産品non-migas という呼称で区別したのは、そういう時代背景が
あったためだ。製造産業を主体にするノンミガスセクターの振興構想は経済行政の思惑通
りに進まず、製造セクターのGDP貢献度はいまだに低いままになっているが、ともあれ
現在の国家経済の一部を支える輸出の主役はノンミガスにとって代わられている。

言うまでもなく政府は埋蔵原油発見の可能性を追求するべく、国有事業体ならびに世界の
石油セクター投資家に呼びかけている。2017年にはスラウェシ・カリマンタン・パプ
アに設けられた10ブロックのコンセッションがオファーされたものの、良い反応は得ら
れていない。法規の転変への不安、許認可行政への負担、税の不確定性、などインドネシ
ア側のマネージメント態勢に不安が感じられることから、世界の石油業界はインドネシア
への深入りを避けている観がある。