「四人組贋札使いを逮捕」(2019年02月07日)

最近の贋札作りは、昔のようにむやみやたらと商品を作って「捕らぬ狸」の真似をするよ
うなことをあまりしなくなっているらしい。つまり、昔は制作者が自主的にたくさん作っ
て欲をかくいろんな人間に売り付け、かれらがそれを市場にばら撒くという構図が主流を
占めていたのだが、昨今では欲をかく人間が制作者に発注し、制作者は受注分だけを作る
というスタイルが普通になってきているらしい。その方が制作者の身の安全度が高いとい
うことなのだろうか?

欲をかいた今回の贋札使い四人組とは、19歳・34歳・37歳・40歳の男たちで、か
れらはボゴールに住むOという贋札制作者に発注して作らせ、それを買い上げて四人が市
場に流し、得た利益はかれらの間で分配する方式を採っていた。

この四人組とOのビジネス関係は2009年にさかのぼり、つまりは10年越しで贋札を
世間にばら撒いていたということのようだ。一回の発注は1千万ルピア相当だったらしい
だ。贋札制作者のOは四人組の逮捕を知って逃亡したため、警察が行方を追っている。

警察の取調べに四人が自供した内容によれば、かれらは日々、贋札を使って買い物をして
いたのだが、たいていが夜に小口の買い物をして贋札を店やワルンに受け取らせていた。
使う紙幣は額面2万ルピアのものが多かった。2万ルピアは5万・10万札ほど店員が神
経を使わない。

Oの制作した贋札は精巧なもので、普通の人間がちょっと見た限りでは、なかなか見破る
ことの難しいものだった。紙の厚さを指先でじっくりと確かめればおかしいなと感じるく
らいの弱点しかなかったようだ。

四人が芋づる式に逮捕されたのは、若い19歳の男が欲をかいたためだったにちがいない。
この男は律儀に少額をちょろちょろ使うことに?飽き足りなかったものと見える。

かれはモバイルバンキングを行っている知り合いに70万ルピアの送金を頼んだ。それを
してくれた相手にはすぐに現金を返した。その知り合いは現金を自分の口座に入れるため、
銀行に持って行った。そしてそれが贋札であることが発覚したのである。銀行側は持ち込
まれた70万ルピアの現金の受け取りを拒否して、警察に通報するように促した。

詐欺被害届を受けた首都警察は捜査を開始し、19歳の男を逮捕してからその仲間を次々
に逮捕して行った。そして贋札制作者まで手を伸ばそうとしたら、逃亡した後だったとい
うのがその推移。例によって警察はOの家からコンピュータやプリンタなどの制作機材を
押収している。