「インドネシア語を世界語に(2)」(2019年04月04日) インドネシア人の大半がインドネシア語を第二言語として、母親から口移しで習得する母 語の次に、学校教育とマスメディアを媒体にしてインドネシア語を学習しているのだ。こ の種のひとびとはインドネシア語でpenutur jati(ジャティ話者)と呼ばれる。第二言語 として習得するのだから、外国語を学ぶことと変わらない。逆に見るなら、それはインド ネシア語を学ぶ外国人と同じようなものだと言えるにちがいない。もちろん学習環境は大 違いなのだが。 インドネシア政府は2003年にインドネシア語を異言語(非母語)として習得するひと びとのために、言語教育カリキュラム・メソッド・能力評価と検定などの教育プロセスを 構築した。インドネシア語能力検定はuji kemahiran berbahasa Indonesia (UKBI) と命名されている。 UKBIは聞き・読み・書き・話す能力を測定し、同時に文法規則の習得度をも測定する。 検定結果は7つのランクに区分される。上から下へ、評価ランキングは次のように並ぶ。 istimewa sangat unggul unggul madya semenjana marginal terbatas 2005年から2017年までの間で、受検参加者中istimewaの評価を得た者は6.5%、 sangat unggulは27%もいた。 インドネシア語能力検定はほぼ全国で行われている。ほぼ全国の地方自治体に地方語事務 所・地方語館があり、地方語の整備・開発・普及・振興の傍ら、インドネシア語能力検定 も行っている。それが30カ所で、またジャカルタとボゴールには国語庁事務所があって そこでもUKBIが行われているから、全国の32カ所がUKBIを推進していることに なる。 教育文化省国語開発育成庁長官は、今現在まったく義務付けのなされていないUKBIの 全国民による活用と、更にはインドネシアで就労する外国人への義務付けが目標であると 述べている。 インドネシアの教育界が国民の実用国語能力の教育結果を測定するためにこの検定を利用 し、産業界が従業員雇用選抜や昇進昇格の判定基準にこの検定を利用するようになれば、 この制度は国民生活の中に大きく浸透して行くことになる。現実に個人あるいは法人の受 検参加者は顕著な増加を示しているとのことだ。 バンドンのある高校では、学校側が全生徒をUKBI受検に参加させている。高校生の標 準能力はmadyaレベルとされているのだが、生徒たちのマジョリティはsemenjanaレベル の成績をもらっているそうだ。[ 続く ]