「深夜の女性は犯罪ターゲット(前)」(2019年04月15日) オンラインオジェッを利用した場合に被害を受けるのは女性乗客ばかりではない。女性運 転手までもが犯罪者のターゲットにされるのである。19年4月5日午前2時ごろに都内 メンテン地区からラスナサイッ通りにつながる高架道路の上で起こった事件では、女性運 転手が犯罪者のターゲットになった。 そのとき、大学生でオンラインオジェッ運転手を副業にしているアジェンさん(女性21 歳)は客のリアさん(女性22歳)を乗せて走っていた。すると男性ふたり乗りのオート バイ一台が接近してきて、いきなりアジェンさんの携帯電話器をひったくった。アジェン さんは「電話機を返せ!」と叫びながらひったくりを追いかけた。 このような場合、追いかけるのであれば、追いついたときに自分はどう行動するかという ことを計画しておかなければならない。ただ本能的に追いかけるだけでは、いざ追いつい たときに自分の動きはブランクになり、犯罪者からもっとひどい打撃を受けることになり かねないからだ。それが生命に関わることもある。 そしてその通りのことが起こった。アジェンさんがひったくりオートバイに近寄ったとこ ろ、今度は更にバッグまでひったくられたのである。アジェンさんは頭に血が上った。 ひったくりは一目さんに逃走し、アジェンさんはまたまたそれを追う。そしてラスナサイ ッ通りの第二ウィスマトゥグビル前で追いつくと、かの女はそのままひったくりのオート バイに体当たりした。四人は激しく歩道に投げ出された。そして死がふたりを呑み込んだ。 ひったくりオートバイの後ろに座ってひったくりを行った男と、やはりオジェッの後ろに 座っていた乗客のリアさんが、歩道で強く頭を打って死亡した。アジェンさんも頭を打っ て重体となり、病院に送られた。ひったくりオートバイの運転者だけは軽いケガで済んだ。 ひったくり運転者はM20歳で、死んだ仲間のHは17歳。Mは警察に逮捕されて取調べ を受け、ひったくりの犯行を10回重ねていたことを自供した。警察が検証のためにMを 連れて過去の犯行現場を回っているとき、プロガドン地区で逃げようとし、捜査員を襲っ たために銃撃された。Mは病院へ搬送される途上で息を引き取った。 北ジャカルタ市地区オンラインオジェッ運転手コーディネータは、0時から朝まで女性運 転手は仕事をしないようにアドバイスしている、と語る。「女性運転手は狙われやすいか ら、リスクを避けるほうがよい。これはその種の法規がないので強制できないから、本人 の意志に任せるしかない。もしどうしても仕事をするのなら、友人たちに自分の状況につ いての情報を流すべきであり、またそれ以上に、客に不審を感じたら、乗せるのを拒否す るべきだ。」[ 続く ]