「アントロポセンティック大量絶滅」(2019年04月30日)

ライター: コンパス紙記者、アフマッ・アリフ
ソース: 2019年4月24日付けコンパス紙 "Akhir Antroposen"

自然淘汰が地上に生きる生物のサバイバルとバラエティのキーメカニズムになっている。
このメカニズムがまた、現在の形に人間を鍛え上げた。ところが人類はそのあと自然メカ
ニズムに取って代わり、エコロジーの破壊を進行させている。

15万年前にアフリカに出現してから、われらの先祖であるホモサピエンスは7万年前に
アフリカを後にした。そのアウトオブアフリカ行動は気候変動の結果アフリカがたいへん
な乾燥地に変化したためではないかと見られている。(ジェシカ・ティアニー、2017
年)

新世界への放浪の旅はネアンデルタールやデニソヴァンなど他のホミニンとの混交を生む
と共に、認識能力を飛躍させた。ホモサピエンスは火を用いる知識で油を使う灯火、ある
いは弓矢の飛び道具、衣服を縫う器具など様々な補助道具を作り出して、他のホミニンよ
りも抜きん出た。筏を創造することで、かれらはパプアの地まで海を渡って移動した。

肉体的弱点をカバーするための種々の道具作りは人類の祖先を他の生物種よりも優れた存
在にした。しかし人間の存在がステゴドンやマンモスなどの大型動物、それどころか古生
人類であるネアンデルタール人やデニソヴァン人の絶滅を早めたのではないかと推測され
ている。


11,700年くらい前に地上は温暖化して氷河期が終わった。地上の姿は大きく変化し
て新たな地質時代、完新世がその幕を開いた。海面が百メートルも上昇した結果、西部イ
ンドネシアの島々がアジア大陸から切り離され、パプアはオーストラリアから分かれた。

地球温暖化は人類文明に新たな進化を招いた。生存しやすい気候は人口の急増を引き起こ
し、食糧需要を高騰させた。この時代に人類は動物の家畜化や農耕を開始し、邪魔になる
ものを排除して行ったのである。

農業革命が人類を自然の上位に置き、その生存を支えるために自然への搾取に向かった。
人類による自然の征服の頂点は何よりもまず、自然から大量に抽出する技術を発見した1
8世紀の産業革命だと言える。それ以来人類は、サバイバルのためでなく、資本蓄積のた
めに自然を搾取するようになったのだ。

人類は地上で最強の存在という地位を確保し、同時に他の種を絶滅の淵に追いやっている。
2014年のサイエンスジャーナルの中でロドルフォ・ディルゾは、1500年以来32
2種の脊椎動物が絶滅し、残ったものも個体数が25%まで減少したと述べている。無脊
椎動物も似たり寄ったりで、種の数は67%に、個体数は45%に減った。

ディルゾによればこの状況は、地上で6度目の大量絶滅に向かって突き進んでいることに
なる。科学者たちは地球でそのようなことが既に5回起こったと考えている。その最後は
6千6百万年前に起こった地上への大隕石落下によるものであり、この次に起こる人類が
原因の大量絶滅はアントロポセンティック型と呼ばれている。

2019年4月22日の地球の日のテーマである数百万の生物種を絶滅から守ることは、
きわめて適切なことがらだ。なぜなら、ホモサピエンス種のみが単独でこの地上に生き永
らえるのは不可能だからである。