「5月22日へのシナリオが始動」(2019年05月14日)

中央ジャカルタ市メンテン地区で19年5月4日、警察が交通整理をしているところで不
審な車が捕まった。車の中には段ボール箱がふたつあり、その中に数千枚のC1フォーム
があったことから、警察はその段ボール箱を押収した。C1フォームとは総選挙投票終了
後に票数を記録する用紙で、3,767枚の用紙には中部ジャワ州ボヨラリをはじめ十二
の県における投票結果として手書きデータが記されていた。段ボール箱には宛先と送り主
の名前が表示されており、宛先はプラボウォ・スビヤント+サンディアガ・ウノ組全国選
挙本部ダイレクター、送り主はプラボウォ+サンディ組全国事務局となっている。

中部ジャワ州総選挙監督庁はそれをニセモノと証言し、総選挙コミッションもニセモノの
可能性の方が大きいとして調査を行い結論を出そうとしている。プラボウォ+サンディ組
全国選挙本部も「当方とは無関係であり、当方に疑惑を与えようとする陰謀だ」と主張し
た。

このような新聞種が作られて報道されれば選挙結果に対する不信を国民社会に煽るための
不正事実として使うことができ、選挙結果が不正票集計に基づくものという印象を世の中
が受ければ、同情は敗者に集まることになる。


次いでプラボウォ+サンディ組全国選挙本部が総選挙監督庁に対して19年5月10日、
総選挙に関連して不正が行われたことを届け出た。不正選挙疑惑は5項目に分かれており、
既に証拠をそろえて届け出られたのはそのうちの一項目だけで、他は証拠をそれぞれ完全
なものにまとめなければならないため時間が必要だから届け出は順繰りになされる、と届
出者は述べている。

届け出られたものの内容は、対立候補者側が国家公務員を自分の陣営に投票させたという
もの。他の四件については、総選挙コミッションが総選挙主管者の立場に反して対立候補
者に有利なオピニオン誘導を行ったこと、C1フォームに対立候補者を勝たせるための虚
偽内容が記載されたこと、海外投票で対立候補者を勝たせるための作為が行われたこと、
選挙資材の全国配布に際して対立候補者を勝たせるための条件作りがなされたこと、とい
う内容であることを届出者は表明している。

不正選挙疑惑届出と時を同じくしてタムリン通りの総選挙監督庁前にデモ隊が出現し、不
正選挙非難の論陣を張った。デモ隊は紅白期と種々の宗教団体旗をはためかせてウンマ連
合を名乗り、ムスリム装束の男たちがそのほとんどを占めた。

5月22日に予定されている総選挙コミッションの選挙結果発表にぶつけるための選挙結
果拒否全国行動に向けて、街中の騒然さは上昇して行くことになるだろう。加えて国家警
察デンスス88がジャマアアンサルッダウラ(JAD)のデモ潜入と自爆テロ計画、更に
群衆扇動による反政府蜂起に向けて国内の他のテログループに参加を呼び掛けていること
を探知したことから、警察の警戒態勢は第一級レベルに引き上げられた。

最近行われたブカシ市内のJADアジト数カ所の摘発とJADメンバー逮捕から、テロリ
ストは百メートル離れた場所から高性能爆弾を起爆させるツールを既に持っていることが
明らかになっており、大群衆のデモ隊に向けて行われる爆弾攻撃が重層的になされる可能
性を警察側は懸念している。


ジョコウィ+アミン組み全国選挙本部法曹ダイレクターは不正選挙届出について、過去の
選挙ではほとんど毎回不正選挙疑惑が届け出られていたが、正確妥当なデータがなく、単
なる遠吠え的な言いがかりに終わっていたことを指摘する。
「当方も対立候補者側の不正選挙疑惑に関する届け出を行おうとしている。かれらが既に
提出した届出に対してコミッションは早急に白黒の判定を公表するようにしていただきた
い。」

総選挙コミッションは騒然さの始まった街中の状況について、選挙結果はどんな大規模デ
モが行われようが、それで変更されることは絶対になく、結果が変更されるのは公明正大
な真実を示すデータだけによる、とのコメントを出した。

一方、国家警察犯罪捜査庁は法務人権省に対し、キフラン・ゼン退役国軍少将に対する出
国禁止措置を公式要請した。ホウクス並びに国家転覆計画に関する捜査がその理由。
総選挙開票状況の報告データに関連するホウクスもネット空間を飛び交っており、警察は
ホウクス発信者を適宜逮捕しているが、虚偽情報はマス化し始めているようだ。