「ハロー、プカロガン」(2019年06月10日)

2019年3月29日付けコンパス紙への投書"Halo, Pekalongan"から
拝啓、編集部殿。19年2月22日のコンパス紙に掲載された「殺戮者の名は地盤沈下」
という専門家の論説を読んだわたしは、プカロガン住民のひとりとして心穏やかでありま
せん。プカロガンの地盤沈下は年間20センチという速さで進行しているのです。それを
防ぐ手段を講じなければ、30〜40年後にプカロガンは沈没してしまうでしょう。

十年位前にプカロガン住民はrobという言葉を知りました。わたしが若いころには存在し
なかった言葉です。この満潮浸水は既に、海岸線から4〜5キロ離れた国立第1中学を超
えました。皮肉なことにプカロガン市庁は清水供給を満たすために、およそ4百の井戸を
掘っています。その需要のメインはバティック産業です。

あの論説記事の筆者はその行為を自殺行為だと書いています。このような予測ははじめて
目にしたことではありません。1990年代にジャワ北岸街道で盛んに行われた養殖池へ
の転換を視察したア開銀の専門家は首を横に振りながら、案内したわたしにこう言いまし
た。「あなたの海岸には大規模な海食が起こりますよ。」


プカロガン市長さん、予防措置を検討し、その実行に努力してください。その手始めは4
百の自殺井戸です。かつてオランダへ比較研究に行った結果はどうなったのですか?海外
移住者を呼び戻してください。専門家が中にいるかもしれませんよ。いくら優等生の証書
を見せびらかしても、地元の大学に頼っていてはいけません。マングローブ林建設はたい
したステップではないのです。せいぜい観光スポットにしかなりませんから。

あれやこれやの災害が起こるのは大勢が破戒を行っているからだ、などというセリフで済
ましていてはなりません。そしてバティック事業者たちのスローガン「プカロガンの川が
黒いのは、バティック産業の先行きの明るさを示している」に黙っていてはなりません。
それは廃棄物汚染なのですから。
満潮浸水がマタラム広場に達すれば、プカロガンのバティックも沈没するのです。
[ 南ジャカルタ市クバヨランバル在住、スマントロ・マルトウィジョヨ ]