「ボガサリは世界有数の製粉会社」(2019年07月05日) 1971年8月にインドネシア初の製粉工場がオープンした。ボガサリ社PT Bogasariが タンジュンプリオッ港東側に建設した4つのミルから成る製粉工場は専用埠頭を持ち、運 搬船10隻が同時に接岸できる規模のものだった。小麦粉の原料は百パーセント輸入に頼 っていたことから、海に向かって開かれていればそれで十分だったようだ。操業に当たっ て原料調達はオーストラリアから5千トン、米国から1万5千トンの小麦が輸入された。 工場建設に5百万米ドル、130メートルの埠頭設備建設が1.3億ルピアという投資額 だった。当時のルピアレートは1米ドル当たり4百ルピア前後だったから、現在の14, 500ルピアに比べると36倍の差になる。 ちなみに当時の米相場はキロ当たり50ルピアであり、現在の11,500と比較すれば 230倍になっている。 ボガサリのジャカルタ製粉工場は現在15のミルを備えて、世界最大の賛辞をほしいまま にしてきた。今PT ISM Bogasari Flour MIllsの国内市場シェアは51%を有し、他の数社 が残りのシェアを分け合っているが、20%を超えるシェアを持つところはない。 国内市場への基幹食糧流通は、流通事業庁Badan Urusan Logistikが掌握する独占形態を 取っていた。米も小麦粉も流通事業庁が独占輸入し、国内市場への供給も同庁が独占的に 行っていた。 製粉工場ができれば、小麦粉輸入は緊急事態からの逃避策だけになり、通常は小麦の輸入 となる。流通事業庁は依然として輸入と国内供給を独占したから、この製粉工場はあたか も政府の下請けのようになってしまう。 最終的に1998年、流通事業庁の小麦粉に関する独占形態が廃止されたことから、ボガ サリフラワーミルズは製粉業界の巨人としての動きを開始するようになった。 現在の社名PT ISM Bogasari Flour MIllsのISMとはIndofood Sukses Makmurのことだ。 現在ボガサリ製粉会社はインドフードの一部門になっているのである。 Indofood, Indomobil, Indocement, Indosiar, Indomaret, Indomarco, など一連のIndo- 企業は周知のとおりサリムグループの核をなす事業体だ。その屋台骨の礎石のひとつがボ ガサリ製粉会社だったのである。